イロクテイトの製剤量変更後のデータ報告と、最近共感した言葉をご紹介。

イロクテイトの製剤量変更後のデータ報告と、最近共感した言葉をご紹介。

息子は、血友病と診断されて約8ヶ月間、半減期延長型製剤の「アディノベイト」を使用していましたが、製剤の効果があまり望ましいのもではなかった為、同じく半減期延長型製剤の「イロクテイト」への製剤変更を行いました。

【製剤変更のための検査入院の様子・製剤の比較データ】の記事はこちら

 

製剤を変更したにも関わらず、アディノベイトと大差のないデータが出てしまった息子・・・。

しかし、イロクテイトには製剤量や輸注回数を患者さまによって変更できるという利点があり、息子も製剤量を変更し再度データをとることになりました。

今回は、製剤使用量変更の様子と今後の課題を記載しています。

また、ドラマ”パーフェクトワールド”の中で、病と闘う息子を見守る母親の心情に共感した言葉がありましたので、少しだけ紹介させて頂きます^^




イロクテイト製剤量の変更

製剤量の変更には申請が必要で、約2週間ほど時間がかかりました。

今回は、イロクテイトを500単位から750単位へと変更。

早速、[ 輸注前 ] → [ 輸注30分後 ] → [ 24時間後 ] → [ 72時間後 ] に採血をし、データを出しました。

 

トラブル!第8因子活性値300%!!??

すべてのデータが揃い主治医から結果報告を受けたのですが、健常者の第8因子活性値が高くても140%程とされるところ・・・

輸注30分後の活性値がなんと300%!!

 

製薬会社にもこのデータについて問い合わせて下さいましたが、今までにこのようなデータはないとのこと・・・

もしも、活性値300%が事実ならば、血栓症を疑っていかなければなりません(>_<)

“30分後の採血は、輸注をした反対の手から採血したか?”など、採血の手順に問題がなかったのかを主治医と共に確認しましたが原因が分からず、もう一度、さらに慎重に採血を行うことになりました。

 

それでは、前製剤の [ アディノベイト・イロクテイト500 ] と、再採血後の [ イロクテイト750 ] のデータを比較しながら報告させて頂きます。

 

前製剤とイロクテイト(750)の比較データ

今回出たデータで一番嬉しかったことは、72時間後に”2%”の第8因子活性値があったということです。

1%未満1%には雲泥の差がありますが、”2%”という数字にも大きな意味はあります。

今まで48時間後には1%未満になっていたのが、24時間も製剤の効果が伸びて活動量を増やせるなんて!

活動を制限していた我々にとって、24時間の自由はとても嬉しいことです。

 

今後の課題

今回のデータで、製剤変更については一旦落ち着いたと言えましょうか。

 

現在の輸注のタイミングは、私たち家族のライフスタイルに合わせて行っていますが、来年度の幼稚園入園が始まる頃には、幼稚園での活動に合わせた曜日やタイミングで輸注を行っていくことになると思います。

 

間もなく始まる“家庭輸注へ向けた練習”“幼稚園探し”

実は、幼稚園入園前にクリアしていきたいことは血友病以外でも山積みで・・・

 

【幼稚園入園までの課題】

・卵アレルギー改善に向けた「経口免疫療法」(負荷試験済み)
・トイレトレーニング
・自分で色々できるかな(服・靴の着脱、食事マナー、挨拶など)

 

なんとなくのイメージですが、同じ3歳児でも1歳から保育園に通っている子の方が一人でできることが多かったりするのかな?と感じています。

私自身も、幼稚園へ入園させたら数時間でも働きに出ようかと考えているので『今のうちに出来ることはしていこう!』と目標を立てているのです^^

 

“息子と常に一緒”という今しかない時間を大切にしながら、楽しく過ごしていきたいですね^^


最近共感した言葉「ドラマ”パーフェクトワールド”より」

最近ハマっているTVドラマ『パーフェクトワールド』で共感した言葉をご紹介。
不慮の事故により下半身不随になった青年が車椅子生活を送る中で、恋愛を中心に様々な経験をする物語です。

 

[ 主人公”いつき”の母の言葉より ]

「車椅子だと、歩けない事ばかり大変そうに見えるけど、歩けないからって死ぬわけじゃない。

でも、合併症で命を落とすことはある。

医学が進歩した今は、健常者とほぼ変わらない寿命になったって言われるけど、

それで「あーよかった」って心底安心する親はいないよね。」

 

血友病治療の中でも、“健常者と変わらない”って言葉はよく使われるし、このブログ内でもたくさん使っているけど、この言葉は「ただの励みに過ぎない」と感じることがよくあります。

もちろん、この言葉を信じて治療に励んでいるわけですが、“健常者と変わらない”と明るく聞こえるこの言葉の裏には、健常者と同じになる為の痛みや努力があって、それでもたくさんのリスクを背負いながら生活している。

患者本人はそんなこと気にしながら生活なんてしていられないだろうけど、病気を知り、子供の努力を知る母親のこの言葉に共感しました。

 

“いつき”の母は最後にこう述べていました。

「誰かに迷惑をかけてでも幸せになってほしい。」

今はまだ幼い息子。
まだまだ先ではありますが、将来同じように息子の幸せを願うかもしれません。