自分にあった血液製剤を見つけよう。製剤変更の様子と現在の進行状況。
- 2019.03.03
- 治療・環境
現在2歳4ヶ月の息子は、血友病と診断を受けて約8ヶ月が経ちました。
関節内出血や大きな出血もなく元気に成長してくれていますが、血友病診断当初から使用していたアディノベイトは本来の製剤効果をうまく得られていない状況にあり、再来年度の幼稚園入園を視野に入れ、製剤の変更を検討するべきだという判断に至りました。
製剤変更にあたり変更予定製剤の薬物動態を調べるための検査入院とその結果が出ましたので報告させて頂きます。
アディノベイトとイロクテイトの比較と製剤決定についての記事はこちら
血液製剤の薬物動態検査
血液製剤を使用するにあたり大切なことは、使用する製剤が適切に機能しているかどうかで、それを見極めるためには血液製剤の薬物動態を見る必要があります。
今回、変更予定製剤の薬物動態を見るため検査入院を行ってきました。
入院と聞くと準備などで大変だと感じてしまいますが、今回は一時帰宅できたのでとても助かりました。
そして一番厄介なのは、本人は至って元気なため退屈だとはしゃぎ、周りに気を使ってしまうことです。
半日でも時間を潰すのは大変ですが、息子は予想以上に頑張ってくれました^^
検査の流れ
薬物動態、つまり製剤の入り方・減り方を見るわけですが、血友病の場合・・・
凝固因子活性値が最も高いピーク値を製剤輸注の30分後に 凝固因子活性値が最も低いトラフ値を製剤輸注の24時間後 に血液を採取し検査します。
今回はより詳しい情報を得るために製剤輸注6時間後のデータもお願いしました。
実際の流れは以下のようになります。
11:00(30分後) 血液採取
16:30(6時間後) 血液採取
【翌日】
10:30(24時間後) 血液採取
採血するにあたり、皮膚に残った血液製剤が次の採血時に混じってしまうと正確な数値が測れないため、両手を使い計4回採血を行いました。
結果が出るまでには、約一週間ほど時間を要するそうです。
入院時の息子の様子
周りに迷惑をかけないようにと気を張っていきましたが、予想以上にお利口さんにしてくれていました。
時間つぶし購入した幼児向け雑誌の付録「自動販売機」作りに没頭しました。
子供が作るには難しいですがとても良く出来ていて、お店で販売されているプラスチック製の物と変わらないほどで感心しました^^
小児病棟に設置されているプレイルームや病院のお庭でも自由に遊ばせてもらい、息子も気の休まる場所があって良かったんだと思います。
そして何より驚いたのは、治療に対する姿勢でしたね。
もちろん注射は抵抗あるようですが、それまでの体温計や血圧・酸素濃度を測定する際には積極的に手を差し出し一人でやってくれました。
病院に慣れてくれることはとても助かり有難いことですが、少しだけ複雑に思うってしまうのも正直な親の気持ちです^^;
イロクテイト薬物動態検査結果
さて、イロクテイトを2回使用し一週間ほど経ちました。
アザが増えたりといった目に見える症状は見られませんが、気になる結果はどうでしょうか。
アディノベイトと比較して見ていきましょう。
検査結果【アディノベイト】
(30分後) 76%
(6時間後 ) ー
(24時間後) 11%
【イロクテイト】
(30分後) 64%
(6時間後) 37%
(24時間後) 14%
アディノベイトとの差はほぼなく、期待した結果にはなりませんでした。
この一回の検査でいい結果を聞きたいと期待していたのでとても残念です。
しかし、ここからがイロクテイトの出番です。
アディノベイトではできなかった製剤の量・輸注回数を検討し調節していきます。
まずは製剤の量を増やすこと検討します
現在の週2回の輸注を週3回に増やすと息子も精神的にきついでしょうし、何より血管が潰れてしまう可能性が出てしまいます。
なのでまずは製剤の量を増やして様子を見ます。
目指す理想は以下のようになります。
(24時間後) 20%
現在1%未満の72時間後(輸注から3日後)に1%を保てたら最高です!!
製剤の量を増やすことにより、約1.5倍の増加を見込めるようです。
しかし「トラフ値は製剤の量とは比例しない」とも言われているようなので、やはり使用してみなければ何もわからない状況です。
現在は製剤使用量の変更を申請中で返答を待っている状態です。
量を増やして状態が良くならなければ、週3回の定期輸注も視野に入ることになるかもしれません>_<
それだけは避けられるよう、少しでも早く安心して生活ができる状態を作りたいものです。
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