血友病と診断されて初めての遠出
- 2018.11.27
- 旅行・外出
まだ家庭注射や自己注射ができない時期は、長期外出をする際に事前準備がとても大切になります。
しかし、いくら事前準備をしていても不安がなくなることはありませんよね。
血友病と診断され約5ヶ月経った2歳の息子は、現在週2回通院しながら治療を行っています。
まだ家庭注射も学んでいない状況でしたが、今回現在の住まいから4時間離れた私の実家に帰ることにしました。
2泊3日の短い期間ではありましたが、遠出するにあたり事前に準備しておいたことなどご紹介します。
旅行を予定した際には主治医への相談も大切です
まず旅行を計画した際、主治医に「いつからいつまで」「どこに行く予定にしています」と伝え相談しました。
なぜ主治医に相談したのか・・・。
今回は2泊3日と短期間で、「家庭輸注ができない」と言って引き止められるようなこともありませんが、旅行前の予備的輸注の日程を組んでもらうのはもちろん、緊急時にどのような対応をすればいいのか確認したかったからです。
以下で旅行先の病院について記載していますが、旅行先の環境はそれぞれで、その環境にあった対応が必要になってくると思います。
また製剤の効果も個人差があるので、行動の仕方など再度確認しておくと少し安心かもしれませんね。
旅行先の病院の確認
これが一番重要になるのではないでしょうか。
何かあった時に行く病院は必ず事前に確認しておいて下さい。
私たちの場合、主治医から全国の血友病に知識のある病院が記載された冊子「血友病患者さんのためのトラベルガイド」というものを事前に頂いていました。
記載された病院全てがいつでも受け入れてくれるとは限りませんが、とても心強いアイテムです。
しかし私の実家は田舎で、冊子に記載された病院まで2時間近くかかってしまう状況。
主治医に相談したところ、「その時間はあまりに勿体なさすぎる。注射は近くの病院にお願いし、大事に至るようならそこから搬送してもらって下さい」とお言葉をいただきました。
そしてその際に最も重要になるのが【診断書】。
これがあるのとないのでは受け入れに大きく差が出るようです。
この診断書も血友病と診断された際、どこの病院に駆けつけても受け入れてもらえるように書いて下さっていました。
これで事前の下調べはできましたが、実際の病院探しは思うようにいかないように思います。
実際に苦労した経験があるのですが、意識がないなどの緊急時以外は自分で病院まで足を運んでくださいね。
連絡等も入れず駆け込んだ方が受け入れてくれます。
そのためにもある程度病院をピックアップしておきましょう。
持ち物の確認
次は持ち物です。絶対に忘れてはいけないものもありますのでしっかりと確認しておきましょう。
【1】凝固因子製剤
これは必須ですね。
凝固因子製剤が確保されている病院はほとんどありません。
日数にもよりますが、手持ちの製剤は全て持っていった方がいいかもしれません。
凝固因子製剤は最高30℃まで耐えられますが、あまりにも温度が変わってしまうと使用期限が3ヶ月と短くなってしまいます。
高価なものでもありますし、適正温度の1℃〜8℃を保てるよう保冷バックに保冷剤を入れ慎重に取り扱いましょう。
【2】保険証・子ども医療証・小児慢性特定疾患児童手帳(子ども手帳)
病院で診察するにあたり必要なものですね。
小児慢性特定疾患医療受給者証は、そこに記載された指定医療機関でないと使うことはできませんが、子ども手帳には、患者情報やかかりつけの連絡先を記載しているので持っていて損はないと思います。
【3】診断書
主治医に書いていただく診断書。
これがあれば初診の病院に駆けつけた際、診断書がない場合よりも受け入れてもらいやすく治療もスムーズに行うことができます。
旅行時にかかわらず、普段の生活の中でも常に持っておきたいものなので、現在持っていない方は主治医に相談してみてください。
【4】子どもを守るグッズ
子どもはいつもと生活環境が変わるとテンションが上がってしまうものです。
そのためいつもより注意してみてあげることが重要になってきます。
せっかくの旅行だからのびのび楽しませてあげたい気持ちはありますが、様子を見て制限をかけてあげることも必要かもしれません。
しかし、常に守ってあげられる状況を作るのも難しいため、少しでも安心できるように普段使用している保護帽子やその他アイテムも忘れず持って行きましょう。
今回の帰省の様子
血友病と診断されて初めての帰省。
短い期間ですが祖父母に孫との時間を楽しんでもらいたいものです。
・・・が!!実はやってしまったんです^^;
大事には至りませんでしたが、どう対応しようか迷ってしまいました。
久しぶりの息子と祖父母の様子
前回の帰省が1歳半の頃でした。
その頃と大きく変化したのは、息子の言語発達と人との関わり方でした。
会話が成立するようになり、ママから離れられなかったのが誰とでもすぐに遊べるようになりました。
普段は父母息子の3人なので毎日の成長も当たり前になっていきますが、第三者の目で見ると改めて息子の成長に感動させられますね。
自分から遊ぼうと誘えるようになるなんて、本当に微笑ましい光景でした。
また、今回の帰省は息子に大きな刺激を与えたようで、帰りの車内では、
「ぼく ブーブー 乗ってるよ」
「パパ ブーブー 運転してるよ」
「ママ ブーブー 運転してないよ」
と自発的に話していました。
たまにでも環境を変えることは子どもの成長にとても大切なことだと思い感動させられました。
ちょっと目を離した隙にやってしまいました
こんなに準備をして、何もないようにと注意していたのにやってしまいました・・・。
朝、顔を洗っていると大きな鳴き声が聞こえてくるではないですか。
ボール遊びに夢中になり、椅子の角で思いっきり顔をぶつけたようです。
すぐに氷で打った箇所を冷やしました。
頭部ではないですし昨日輸注をしているので少し様子を見ることにしました。
その3時間後、頬にアザが見られたのですが腫れはなく病院に行くか迷ったので、かかりつけの病院へ相談の電話を入れました。
主治医は不在のようでしたが、昨日輸注していることと腫れが酷くなければ様子をみていいとのことだったので、そのまま様子を見ることにしました。
以前頬が腫れてしまったことがあったのですが、明らかにその時とは症状が違ったので、これは大丈夫だろうなと感じていました。
その後も腫れることはなく、翌々日の診察でも今回の判断で問題ないと言っていただけました。
注射をするべき状況なのか、その判断をすることはまだまだ私には難しく、迷った時は病院に相談するようにしています。
今回遠出をしてみた感想
やはり、家庭輸注や自己輸注ができない状態での遠出はかなりのリスクと不安がありましたね。
今回は大事に至らず終わりましたが、これが大きな事故で入院なんてことになっていたら今頃どうなっていたのでしょうか??
かかりつけの病院をどれだけ頼りに生活しているか。
普段は息子が怪我をしてしまわないよう安全な環境で生活させているということ。
一歩外に出れば、危険だと感じることやものが沢山あること。
注意力のない幼児期だけではありますが、まだまだ親が守っていかなくてはならないと改めて感じました。
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