血友病の治療方法まとめ【補充療法、家庭・自己注射、ポート・カテーテル】
- 2018.10.08
- 基本情報
血友病の治療は、血液凝固因子製剤を輸注(注射で補充)していきます。
補充療法にはいくつかあり、患者さまの年齢や生活環境・出血時やインヒビター発生時などにより選択されていきます。
また、今後私たちも経験する「家庭注射」や「自己注射」についても簡単に説明していきます。
補充療法の種類
定期補充療法
凝固因子製剤を週2,3回、定期的に輸注していきます。
重症の患者さんはこの治療法を行い、出血を防いでいきます。
予備的補充療法
遠足・運動会・旅行など、出血の可能性が高い場合、その前に凝固因子製剤を輸注し、出血を未然に防いでいきます。
出血時補充療法
出血があった際、迅速に凝固因子製剤を輸注する方法です。
赤ちゃんの時は身体の負担も考え、この治療法からスタートしていきます。
家庭注射について
凝固因子製剤を、患者さま本人やご家族さまが病院以外の場所で、医師や看護師の手を借りず治療する方法です。
幼い頃は、血管が取りにくいため病院に通い治療を行いますが、いずれご家族さまが治療を行い、最終的には患者さま本人が治療を行います。
これにより、出血した際すぐに輸注をすることが可能になるので、長期の旅行などにも行きやすくなります。また病院へ通う頻度も減り、体力面でも余裕が生まれます。
しかし、家庭輸注を行うためには血友病の正しい知識や治療方法を十分に学ぶ必要があります。
自己注射について
凝固因子製剤を患者さま本人が輸注する治療方法です。
家庭注射と同様に、血友病の正しい知識と治療方法を十分に学ぶ必要がありますが、それに加え、
・患者さま本人が自己注射を望んでいること
・患者さま本人が自ら治療するときに血管確保が容易であること
・技術を習得するために一定期間病院でトレーニングを受けること
・医師や看護師の指導内容をきちんと理解し実行できること
などの条件を満たす必要があります。
修学旅行などをきっかけに、小学校高学年・中学生の頃から始めることが多いようです。
ポート・カテーテルの使用
血友病の治療法で、静脈注射が一般的に選択されますが、体にポート・カテーテルと呼ばれる器具を埋め込み、そこから輸注をする治療法もあります。
この治療法により、特に血管が細くみえにくい子どもは血管を傷つけることなく治療を受けることができます。
息子は1歳半に血友病と診断されてから現在まで静脈注射で治療していますが、血管が見えにくいのが現状で、特に見えにくい右手は何回も失敗しています。
週2回の補充療法に変えた時も、血管が潰れて治療できなくなることが不安材料だと言われています。
しかし、ポート・カテーテルの使用には大きなリスクもあります。
まず使用するにあたり、全身麻酔での手術が必要不可欠となります。
また大きな問題点として、ポート・カテーテル挿入後の感染症問題があります。
息子の治療方針を決定する際にポート・カテーテルの提案はありましたが、私たちに選択の意思は無く、主治医も同様の考えでした。
積極的に使用を提案する病院もあるようですが、しっかりと話を聞き理解した上での判断が必要かと思います。
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