血友病と予防接種の関係性について
- 2018.10.01
- 治療・環境
子供を守るために大切な予防接種。生後2ヶ月からスケジュールを組み、予防接種を受けていかなければなりません。
予防接種は皮下注射なので、血友病を患っていても出血に対し大きな心配をする事なく受けることができると言われています。
しかし、血友病を患う長男は1度だけ予防接種後に腕がパンパンに腫れ上がった事がありました。
今回は、血友病と予防接種の関係について息子の経験談を含めてお話しさせていただきます。
予防接種の受け方
生後2ヶ月から始まる予防接種。
生後2ヶ月は授乳回数もまだ多く、日中の育児や夜間授乳・夜泣きなどで体力的にも大変な時期ですよね。そんな中、お出かけ用にオムツや着替えを準備したり、授乳を済ませておかなければならないなど、病院へ行く為の事前準備が一番大変だったりするものです。
特に初めての子育ての場合、どのように受ければ良いのか分からず不安もあります。
下記は私たちの体験談ではありますが、少しでも参考になれば幸いです。
スケジュールの組み方
まず、予防接種のスケジュールは母子手帳に記載されています。
市からも予防接種の案内が届き、予防接種の種類や説明・スケジュール・受診可能な病院のリストなどが同封されています。
それを参考に予防接種を進めていくのですが、生後2ヶ月のいつから予防接種を開始すれば良いのか?
予防接種は生後2ヶ月になった初日(4月1日生まれなら6月1日)から受けることができます。
しかし、予防接種の予約を取ることを考えると、実際には予防接種を受ける1〜2週間前から準備していく必要があります。
決して生後2ヶ月の初日から受けなくてはならないということはありませんが、国が推進している接種期間を過ぎると自費になってしまう事、子供の体調次第ではスケジュール通り進まない事、1歳までに受けるワクチンはたくさんある事を考えると、2ヶ月と同時にスタートさせることが望ましいとされています。
実際の流れとしては・・・受診する病院が決まったら予防接種を受けたい事を伝え、初回の予約を取ります。
私たちの場合、初回接種を行う前に病院へ行き「ワクチンの予診票」を受け取りました。これは予防接種を受ける為に必要なものです。記入やチェック項目が多い為、自宅で記入しておくと時短になります。
2回目からのスケジュールは初回接種後、病院から接種日を提案してくれます。
接種するワクチンの種類についても病院側が把握してくれていますので、母子手帳に記載されているスケジュールを確認しておくぐらいで大丈夫かと思います。
また、1歳までの予防接種スケジュールは慌ただしいのですが、1歳以降の予防接種は落ち着き間隔も空きます。そのため、打ち忘れてしまう方が多いようです。
予防接種は全て打ち終えてこそ意味があります。忘れないように、誕生日を節目に母子手帳を開くと良いかもしれません。
予防接種の様子
予防接種の直前の授乳は吐き出しの可能性があります。また、お腹が空き過ぎていても赤ちゃんの機嫌が悪くなってしまうのであらかじめ授乳しておく必要があります。
私たちの場合、長男と次男のかかりつけ医院が異なるのですが、授乳は予防接種の30分前と2時間前とかなり差がありました。
また、予防接種は37.5度以下でなければ受けられません。「病院に到着して体温計測したら熱があった」なんて事にならないように、予防接種の当日や数日前から体温計測や子供の体調に変化がないか確認しておいたほうがいいでしょう。
病院へ到着後は、記入した予診票を提出し予防接種を受けます。
診察室に入ってからは予防接種についての説明を受けた後ワクチンを投与していきますが、投与の仕方も病院によって様々でした。
生後2ヶ月の赤ちゃんはまだ首が座っていませんがその場合、赤ちゃんをベッドに寝かせて接種するパターンと母親の膝の上に座らせて接種するパターンがありました。
母親の膝の上で接種する場合、赤ちゃんが動かないようにお母親と看護師さんで赤ちゃんを抑えるのですが、この時の先生や看護師さんからの指示が結構厳しいんですよね^^;
動くと危険なので厳しいのも分かるんですが、こっちは慣れてないし淡々と進められるのでついていけません笑
そして泣きながら頑張る我が子。予防接種とはいえ可哀想で辛いんですよね。でも仕方ない・・・これも回数を重ねると慣れてきちゃいます。
予防接種が終わったら次の予約を取ります。
また、接種後は副反応が出た時の為に30分は院内、もしくは病院付近にいると安心です。
次男の時から始まった経口ワクチンのロタウイルス接種後は、病院からの指示で30分院内に待機。病院からの許可を得て帰宅していました。
副反応の中には命の危険を伴うアナフィラキシーショックもあり、それを考えると予防接種を受けるのが怖くなってしまいますが、だからこそ副反応についてしっかり確認しておくことが大切かと思います。
副反応について
すべてのワクチンに副反応があります。
特に予防接種後30分以内に出るものが危険とされ、アナフィラキシーショック(全身性のアレルギー反応で、血圧低下や意識状態の悪化症状がみられる)などがあります。
そのため、予防接種後の経過観察はとても重要となります。また、一度接種したワクチンでも、2回目以降に副反応が出る可能性もあるので、その都度しっかりと見てあげましょう。
副反応と言われると警戒してしまいますが、それよりも予防接種を受けずに様々な病気にかかり、症状が悪化してしまうことの方が怖いことだと言われています。
予防接種と血友病
現在の予防接種は全て皮下注射で行われています。そのため、血友病患者さまも一般の方と変わらず予防接種を受けることが可能です。
しかし、出血は起こりますので予防接種後はしっかりと圧迫止血してあげてください。
また、血友病である事を必ず医師に伝えておけば副反応や出血の症状が出た場合に対応しやすいですね。
腕が腫れ上がった長男の予防接種
血友病を患う長男の腕が腫れ上がったのは、肺炎球菌4回目の接種の時でした。
肺炎球菌ワクチンは副反応が出やすいワクチンのようですが、腫れの広がり方をみると副反応というより注射の打ち所が悪かったのではないかと考えてしまいます。
長男の異変に気付いたのは予防接種の約4時間後でした。
お昼寝から起きた長男は、注射を打った左腕を全く動かさずなんとなく元気がないかな?という感じでした。
副反応については学んでいましたが、熱はなく食欲もあったので様子を見ることに。
そのうち注射を打った左腕が腫れ始め、その腫れは治まるどころかみるみる腫れ上がっていきました。
午後5時頃。予防接種の副反応とお昼寝の添い寝の際に私が腕を潰し脱臼を起こしているかもと病院を受診することに決めましたが、かかりつけ医院は診察時間を終えており、小児救急電話相談#8000に相談し受診可能な病院を紹介してもらい向かいました。
紹介してもらった病院での診察結果は原因不明。
「うちでは対応できないので大きい病院に救急搬送してもいいですか?」
「原因不明って何?副反応じゃないの?」と原因がわからない事に大きな不安を抱えながら違う病院へ行くことに。しかし、受け入れ先の病院がなかなか見つからず救急車の中でしばらく待機していました。
ようやく受け入れてくれた病院では小児科医は不在。脱臼や骨折も疑っていたのでレントゲンを撮りましたが異常なし。またまた救急車に乗り、隣の市の子供病院で予防接種の副反応と診断されました。
これが”タライ回し”ってやつでしょうか。原因が分からない上に受け入れ先の病院がない・・・こんな不安で怖いものはありませんでした。
最後に受診した子供病院で鎮痛剤をもらい様子をみることになりましたが、翌朝、38度の発熱がみられた為、予防接種を受けた病院を受診。昨晩の出来事を説明し、湿布と解熱剤をもらいました。
終始息子の機嫌が良かったことがせめてもの救いでしたが、息子がいつも通り元気に動き回るまで3日間程かかりました。
なぜ長男は腕が腫れ上がってしまったのか?
今回の長男の腕の腫れは”予防接種の副反応”と診断されましたが、予防接種で見られる副反応の中に腕の腫れはあるものの、あんなに腫れ上がってしまうのは正直異常だと感じています。
血友病における注射について皮下注射は問題ないとされてますが、筋肉に針を刺す”筋肉注射”は注意が必要とされています。
筋肉内出血の症状として、硬く熱を持った状態で腫れ上がるとありますが、今回の長男にも同じ症状が見られました。
また、当時はまだ血友病と診断されておらず止血が甘かったのも原因かもしれません。
止血時間はおそらく1〜2分程度。長男もジッとして要られませんから実際はもっと短い時間だったと思います。
あの時、止血がしっかりされていたらこんな事にはなっていなかったかもしれませんし、知らないって怖いなとすごく感じました。
今回の症状の本当の原因は分かりませんが、もし筋肉内で出血していたとしたら・・・製剤なしで症状が落ち着いてくれた事に奇跡を感じてしまいます。
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