1歳半〜2歳半の1年間で経験した血友病定期輸注のあるある教えます。

1歳半〜2歳半の1年間で経験した血友病定期輸注のあるある教えます。

出血を未然に防ぐための定期補充療法。近年では幼少期からの導入も勧められ、出血ゼロを目指すために欠かせない治療法です。

息子も、血友病と診断されてまもなく定期補充を導入し、出血による痛みを感じること無く1年間を過ごしてきました。

この定期補充。 ” 注射をするだけ “ と一見簡単なことに思えますが、血管の乏しい幼少期には苦労が絶えませんでした。

今回は、週2回の静注定期補充を1年間続けてきて体験したことをまとめてみました。




はじめに

 

血友病治療法の選択は患者さまによって様々で、2019年現在では、皮下注射製剤の使用により幼児期の注射による身体的負担を軽減することが可能になってきている中、息子のように、幼少期の難しい静脈注射で治療を行っている方もたくさんいらっしゃいます。

今回のブログには、週2回の静脈注射で経験した辛い内容も記載しております。

読んでいて辛いと感じることもあるかと思いますが、静脈注射で頑張っておられる皆様には共感していただけることも多いかと思います。

少しでもスムーズに静脈注射を行うための簡易的な方法も記載していますので、こんなこともあるんだなと幼少期における静脈注射の難しさと、子供達の苦労や努力を感じて頂ければと思います。

 

1歳半から第8因子製剤(静脈注射)定期補充療法導入

息子は1歳半の時に血友病と診断され、週1回の第8因子補充を20回しインヒビターの発生がなかったことを確認した後、週2回の定期補充を導入しました。

治療開始から半年間ほどは、息子だけ治療室に入り、私は診察室の前でただ待っているだけでとても辛かったのを今でも覚えています。

診察室から聞こえてくる大きな鳴き声は回数を重なる毎に短く、そして減っていき、 ” 鳴き声が聞こえない方が心配 “ と感じることもありました^^;

そして ” 息子が注射に慣れてきたかな “ と主治医の判断で、私も処置室に入室し、息子の側で治療を見守っていくようになりました。

側にいるからといって、 ” 何もしてあげられない “ ということには変わりありませんが、壁一枚の差はとても大きかったです。

 

大人の静脈注射は、採血時を考えて頂ければわかりやすいと思いますが、そんなに難しいイメージはありませんよね。私も息子の治療を経験するまでは、幼少期の静脈注射がこんなにも難しいと思いませんでした。

 

幼少期における静脈注射の難しさ

血管があまりにも細い方は、静脈注射以外の治療法を提案されると思いますが、ある程度血管が見えると判断された方は静脈注射での治療を提案されるかと思います。

 

幼児期は、痛みや恐怖心を抑えるなんてことはもちろんできません。『じっとしている』なんてこともできないので、治療時はタオルなどでベッドに体を固定され、複数人の看護師さんに足や手をホールドされながら注射していきます。

看護師さんに、「お母さんごめんなさい!暴れるのを抑えるために強く腕を押さえたからアザができるかもしれません」なんて言われたこともあります。
子供の力って思っている以上に強く、全力で抵抗してくるので、間違えて刺してしまわないようにするためには仕方のないことでした。

じっとしていればスムーズに注射が行われるのか・・・実はそうではなかったのです。

 

泣くと血管が収縮してしまう

子供は、注射の恐怖心からやめてくれと大きな声で泣き叫びます。そうすると、ただでさえ細い子供の血管がさらに細くなり、血管を探しにくい状況となります。

しかし、”泣くな”というのは子供にとってあまりにも酷なことですよね。

注射以外に意識を持たせ、少しでもリラックスできるようにひたすら声をかけ続けました。

 

手が冷えると血管が収縮する

手の冷えも血管が収縮する原因となってしまいます。

私たちは通院に自転車を使用しており、寒い冬場は手袋と毛布が必需品でした。カイロは低温やけどが心配で使用していませんでしたが、どんなに温めてもすぐに冷えてしまっていました。なので、病院到着後も上着で手を温めたり、看護師さんにお願いして温かいタオルをお借りしていました。

冬場に限らず、注射をする上で手を温めることはかなり重要かと思います。

 

水分不足で血液の粘度が高くなる

夏場は汗をかきやすく、体内の水分不足による脱水症や熱中症を懸念されているかと思いますが、この水分不足は血液の粘度を高くし血が取りにくい状況も作ってしまうようです。

汗をかきやすい時期はこまめな水分補給を心がけ、輸注しやすい環境を作りましょう。

 

血管が動いてしまう

輸注前にはしっかりと血管が見えていたのに、針を刺した瞬間『血管が逃げた』なんてことはよくあります。
じっとしていても、ぐっとこらえることで力が入ってしまうのでしょうか。

逃げてしまった血管を探すために、刺した針を上下左右に動かしていくんですが、グリグリと針を動かす姿は痛々しく「頼む!血よ返ってこい!」と願うばかりです。

 

薬が漏れてしまう

血管に針が刺さり血がしっかり返ってきたことを確認した後に薬を入れていくのですが、投与中、針先周辺の皮膚が腫れてきたら薬が漏れている合図。これは刺し直しです。

薬が漏れてしまっても体に影響はありませんが、「せっかく血管に刺さったのに(>_<)」と残念な気持ちになります。


刺し直しはよくあることです

『今日は一回で終わりますように。』と注射の前にいつも願います。過去の治療で、最も多く刺し直した回数は6回。右がダメなら次は左。両手を交互に血管を探していきます。主治医が、” 今日、自分は出来ない “ と判断し、他の先生に注射を代わってもらうことも何度かありました。

先生方は治療の度に緊張感を持って注射して下さいますが、「最近、一回で終えることの方が少ないな」なんて感じることもあります。

息子も、「もう終わったの?」と何度も辛いことを訴えてきますが、「終わりだよ」と言われるまで頑張って注射に向き合ってくれます。

 

みんなが頑張っている中、側に居て声をかけることしかできない私は、大きな不安に駆られます。
「次で終わりますように!」と注射の成功を願いながら、「私は静脈注射ができるようになるのか?」と・・・

これまで沢山の経験を積んでこられた先生方でさえ失敗するのに、素人の私にできるのか?何度も何度も息子の手に針を刺すなんて、想像しただけでも胸が苦しくなります。「病院でしてもらおう!」と早々に判断することも多くありそうですね^^;

 

「注射しやすくなった」と感じた時期はいつ頃から?

1歳半からの一年間で、“1回で成功することが増えてきた”と感じる時期というのは正直ありませんでした。血管がしっかりしてきたと言われる2歳半現在でも、製剤が漏れてしまい注射し直すことはよくあります。

それでも、この一年間で治療時の様子は大きく変わり、それは全て息子の努力により作られてきました。

じっと我慢ができるようになったことはとても大きなポイントですが、“血管を出すためにグーパーを上手に繰り返せるようになったこと”も注射しやすい環境作りの一つでした。息子は自宅で注射ごっこをしていたので、その際に「グーパーグーパー」と練習していましたね^^

 

手の甲より内肘の方が血管を取りやすい!?

息子は二度、内肘から製剤を入れたことがありますが、失敗したことはありません。
内肘は手の甲よりも血管が太く止血もしやすいのですが、内肘からの注射を嫌がる子が多いそうで・・・息子もその一人。「嫌だ!!」の一点張りで注射を拒みます。手の甲は何度でも差し出してくれるのに^^;

手の甲で注射慣れしていることや、注射が顔に近いことが理由ではないかと思われます。

家庭輸注のためにも「今日は肘でやってみる?」と問いますが、全くその気になってくれそうにありません(/ _ ; )


辛い治療は息子の体を守るために必要なのです

 

皮下注射製剤で治療の身体的負担が緩和されようとしている中、現在の息子には静脈注射製剤が適正だと私たちは判断しています。

何回も刺し直すことがあるかもしれない・・・血管が潰れてしまうことがあるかもしれない・・・
そんなリスクを背負いながらも、息子の体をしっかりと守るためには必要なことなのです。何度も失敗しているのを見ると、「今日はもうやめてあげたい」とさえ思ってしまいますが、やめるなんて判断はもちろんありません。

私はこの一年間で、息子が辛いと泣き叫ぶ姿から、自ら腕を差し出し一人で注射を受けられるようになる姿までの成長をみてきました。

子供は想像以上に強く成長しています。

皮下注射でも静脈注射でも、嫌だと泣き叫ぶかもしれません。
それでも治療を受けた子供をしっかりと褒めてあげて下さい。

治療を受けてくれたこと、それだけで十分ですよね^^

この辛い治療も、医療の発展や子供の成長とともに緩和されていくはずです。
辛いこの時期にしっかりと寄り添っていきたいです。