ゲノム編集技術で血友病は完治へと向かうのか。ゲノム編集技術の仕組みと実績。

ゲノム編集技術で血友病は完治へと向かうのか。ゲノム編集技術の仕組みと実績。

息子が血友病と診断された時には、今後血友病の新薬が開発され治療が楽になったり、将来的には完治できる疾患になるだろうというお話は耳にしていました。

息子の疾患をきっかけに医療ニュースに関心を持つようになり、自分なりに調べてきましたが、息子はこの時代に産まれてきてくれて本当に良かったなぁと思うほどに医療技術は急速に発展しています。

昨年にはノーベル賞を受賞された本庶佑さんが開発されたガン治療薬「オプジーボ」。
現在大流行中のインフルエンザ新治療薬も従来のものとは異なり、ウイルスそのものの増殖を抑える薬「ゾフルーザ」が開発され使用されるなど、医療におけるあらゆる分野で新しい治療法が確立されようとしています。

そして今回のテーマ『ゲノム編集技術』

血友病でない方もこの「ゲノム編集」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
この技術が血友病を完治する疾患へ導こうとしています。

学のない私に医療ニュースはなかなか難しいのですが、血友病にも関係した 「ゲノム編集」 についてゆる〜くお話してみたいと思います。




ゲノム編集とは?

 

ゲノムとは、細胞の中にあるDNAで書かれた遺伝情報のこと「生命の設計図」とも呼ばれています。

この遺伝子を人為的に操作できるのが「ゲノム編集技術」です。

従来の遺伝子治療では、異常のある遺伝子に正常な遺伝子を補充・付加し治療の効果を得ていきますが、異常のある遺伝子は残ったままでした。
治療費が莫大であること、またガン化の恐れがあるという大きなリスクもあります。

一方ゲノム編集は、人工ヌクアーゼというDNA切断酵素を用いて異常のある遺伝子を破壊し修復・導入することが可能だとされています。

神の領域とまで言われるゲノム編集は、従来の遺伝子治療では実現できなかった治療が可能になると言われる一方、倫理的・技術的問題も多く抱えています。

 

クローンベイビー

多くの批判を受けたクローンベイビー。

人工授精で失敗した受精卵を遺伝子改変し双子が誕生したというニュース。

発表された当初に論文は提出されておらず真偽不明とされていましたが、2019年1月に中国当局が事実であることを認めたと発表されたようです。

このニュースの問題点は、遺伝子の一部を改変したのではなく、次の世代にも影響を及ぼしてしまう受精卵を遺伝子改変してしまったことで、倫理に反しているのではないのか、安全性はあるのかと多くの批判が上がりました。

AIを搭載したロボットでも恐ろしいなと感じるのに、遺伝子操作で人間を作り出してしまうなんてSF映画の世界のようですね^^;

医療分野以外に動植物にも「ゲノム編集技術」は使用され、大きな成功を収めようとしています。

 

動植物の分野で活躍するゲノム編集

 

植物で遺伝子と聞くと、トウモロコシでよく耳にする「遺伝子組換え」をイメージしませんか。
この技術は、偶然に頼ったもので長く時間がかかっていました。

しかしゲノム編集が大きな変化をもたらしています。

ツノのない乳牛

通常、角を持って生まれる畜牛をゲノム編集技術で角のない畜牛に改変させる。

これにより痛みを伴う角の除去施術を避けられ、他の畜牛やお世話をする人間を傷つけることを避けるのが目的とされています。

ニワトリへのゲノム編集技術

・メンドリに成長する卵だけ産ませる
・鳥インフルエンザに耐久を持たせる
・卵アレルギーの原因となるたんぱく質を取り除き、アレルギー性のない卵を生ませる

息子もそうですが卵アレルギーのお子様は多いので、これを使用できたら献立に困りませんね^^;

芽の出ないジャガイモ

食中毒の危険性があるジャガイモの芽をゲノム編集技術で改変。毒の量が減少し、長期保存が可能に。

上記はほんの一例で、他にも稲や養殖などにもゲノム編集技術は活用され大きな成果を上げています。


ゲノム編集技術への期待と不安

 

現在の血友病治療は、不足している凝固因子を補うために凝固因子製剤を定期的に輸注していますが、ゲノム編集技術が可能になれば、欠損している第8・9因子を根本的に修復することができるようになります。

ゲノム編集で治療できるようになる代表的な病気として毎回、血友病が挙げられていますし、すでに研究は進んでいるのではないかと感じてしまいますね。

しかし、ゲノム編集技術は画期的なだけにそのリスクや制限をしっかりとかけなければならないとされています。

懸念される部分が目立ち開発の妨げにならないように…。イメージが悪くならないように…。
血友病をはじめとする医療の発展の妨げになるようなことにはならないでほしいなと単純に思います。

血友病診断当初、「血友病の治療が楽になる新薬が出るかもしれない」と期待していたものが、今や実際に販売され使用されているように、血友病が完治する病気になる日が着々と近づいている。

そう期待して、しっかりと息子を守っていきたいです。