左利きは直した方がいい?子供の利き手と脳について

左利きは直した方がいい?子供の利き手と脳について

皆さんは子供の利き手についてどのように考えておられますか?

 

昔は「幼い頃に左利きの傾向がある子は右利きに矯正する」という方が多かったと思いますが、現在は特定のスポーツに有利だったり左利き用のアイテムが増えたことにより、子供の利き手にこだわらない方も多いのではないでしょうか?

3歳の息子は左利きですが、利き手にこだわりのない私たちは右利きへの矯正を考えていません。それでもふとした時に『右利きの方が何かと便利なのかな?』と感じることもあり、利き手について調べてみました。

 

更に、左利き歴30年以上の主人に「左利きにしか分からない日常のストレス」についてインタビューしてみましたので、左利きの方には「あるある」と頷いて頂き、右利きの方には「そんな所にも」と新たな発見を楽しんで頂きながら、お子様の利き手の参考にして頂ければ幸いです^^





利き手はいつ決まるの?

 

利き手についての研究は多く、「利き手は生まれつき決まっている」「利き手は遺伝が25%、残りの75%は環境」など様々な研究結果がありますが、まだまだ分からないことが多いようです。

ただ、赤ちゃんの時は利き手の判断ができず、右・左・両手など様々な動作を経て4歳頃から利き手が決まると言われています。

 

もっと早くから決まっていると思っていましたが、現在3歳の息子の利き手もこれから変わるかもしれないということですね。

 

 

利き手と脳の関係性

 

利き手についての様々な研究の中で最も有力とされているのが『優位脳説』というもので、「左脳が優位な人は右利きに、右脳が優位な人は左利きになる」と言われています。

他にも『胎児期にアンドロゲンという男性ホルモンが左脳の発達を遅らせると右脳が発達し左利きになる』という説や、遺伝説など様々な説がありました。

 

左脳は右手への指令を、右脳は左手への指令を出していますが、右脳と左脳の持つ働きは異なり、これにより利き手によって持つ能力の特徴も異なるとされています。

 

 

右脳と左脳の違い

左手へ指令を出す右脳は、直感やひらめきを司る「感覚脳」、右手へ指令を出す左脳は、記憶や言語認識を司る「論理脳」と呼ばれています。

 

【右脳・左脳の働き】

  • 右脳の働き・・・想像力、芸術力、空間認知力、五感認識(視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚)
  • 左脳の働き・・・言語力、考える力、計算能力




右利きの利点・弱点

 

「人類の90%が右利き」と言われていて、日常にある様々なものが右利き仕様に作られています。そのため、右利きの人は、世の中にあるほぼ全ての物に違和感やストレスを感じることなく日常を送っています。

その一方、右手を優先的に使うことで左手を使う機会がなくなり、左手を使って行う作業を器用にこなすことができません。

 

また、左手を使わないことで右脳は潜在能力のままになっているようですが、逆を言えば右利きの人が左手を使う機会を増やすことで右脳の感覚を得ることができるということです。

方法は簡単!物を取ったり、ボタンを押す手を左手に変えてみるだけ。脳トレーニングにも良さそうですね^^

 

 

左利きの利点・弱点

 

左利きは右利きと異なり、左手だけを優先して使用していません。右利き仕様に作られた日常のあらゆるものに適応するため右手も使用しています。

また、左利きの中には【スポーツだけ左】や【お箸だけ右】など様々なパターンがありますね。

 

非利き手も上手く使ってしまう左利きですが、その多くは右利き社会で強制的に使わされたものであり日常に細かなストレスを感じているようです。『左利きは右利きに比べ寿命が9年短命だ』とイギリスのネイチャー誌が発表し物議を醸したという記事も見かけました。

この調査については「根拠が全くない」と明らかになっていますが、左利きの人が右利きの人に比べ小さなストレスを抱えているのは事実で、主人も利き手の話になると熱く語ってしまいます。




日常にある左利きのストレス

 

ここで、左利き歴30年以上の主人に『左利きのストレス』を聞いてみました。今では当たり前に使いこなしているものが多いようですが、何のストレスもなく生活してきた右利きの私には「そんなところも!?」と驚かされることがたくさんありました。

 

【 左利きの日常ストレス 】

  • 習字は左手では書けない(小筆は隠しながら左手で書いてたそうです)
  • 字が書きにくく、手が汚れてしまいがち(右利きなら作文の方眼紙で経験していませんか?)
  • 改札の切符・定期券(タッチ式のICカードが普及し、ストレスがかなり軽減されたようです)
  • 自動販売機のコイン投入口(右利きなら自販機の正面に真っ直ぐ立ちジュースを選びながらコインを入れられます)
  • 役所にある紐で固定されたボールペン(右手でも扱いにくいあの紐。左利きにはかなりのストレスです)
  • フライ返し(先端が斜めになっているフライ返し。どうにもこうにも左利きには使いこなせません)
  • 人との会食時、座る位置に気を使う(主人と出会った頃は意識して気を付けていましたが、今では自然に定位置に付いています)

 

その他にも、ハサミなどの文房具や包丁や缶切りなどのキッチン用品、もっと言えばエレベーターやトイレなどの【スイッチ】【ドアノブ】など、とにかく全てが右利き仕様に作られています。

 

こうしてみると『やはり左利きは不便なのかな?』と考えてしまいますが、現在では『左利きを右利きへ矯正する必要はない』と言われているようです。

 

左利きは右利きに矯正したほうがいいの?

 

一昔前は、「お箸は右手で使うもの」や「人と違うから」という差別的な問題で右利きへ矯正するケースもあったようですが、現在では『右利きへ矯正することに医学的根拠はなく、むしろ矯正することがストレスとなり成長の妨げになってしまうケースもある』と言われています。

 

現在では、左利き仕様・もしくは両利き仕様のグッズも多く出回っています。左利きが有利な面もあるので、あまりこだわらず個性として自然に任せるのが一番いいのかもしれません。

 

最後に、左利きの苦労話に熱くなる主人に「生まれ変わったら右利きになりたいか」と聞いてみました。

答えは「 NO 」。「自分の個性が左利きのおかげならこのままでいたい」と左利きを誇りに感じているそうです^^
息子も現在は左利きですが、利き手が今後どちらになろうとも、のびのびと成長してもらえるようにサポートしていきたいと思います。