鶏卵アレルギーを改善!食物経口負荷試験による食物アレルギー改善の様子をご紹介。

鶏卵アレルギーを改善!食物経口負荷試験による食物アレルギー改善の様子をご紹介。

離乳食の始まりは子育ての中でもとても大きなイベント。私も離乳食の開始が待ち遠しかった事を覚えており、息子が3歳になった今でも、モグモグと美味しそうに食べる姿には癒しをもらっています。

 

離乳食の開始には楽しみと同時に様々な不安もありました。子供の食いつき・好き嫌い・そしてアレルギーについてです。

3歳現在では改善されつつありますが、息子は食物アレルギーの中で最も多いと言われる「鶏卵アレルギー」を持っています。

今回は、息子が卵アレルギーの検査・改善のために行った「食物経口負荷試験」とアレルギー改善の様子をご紹介していきます。





はじめに

息子は血が止まりにくい疾患である「血友病」を患っています。

今回はアレルギーについてのお話ですが、血友病とアレルギーに因果関係は全くありません。あくまで息子の体質であるとご理解下さい。

 

また、以下の内容は息子のアレルギー症状や摂取方法です。アレルギー症状には個人差があります。アナフィラキシーショックのような重篤な症状が起きる危険もありますので、必ず病院で診察を受け、医師の指示のもと適切な処置を行って下さい。

 

 

鶏卵アレルギーが分かった時期は?

 

息子の離乳食を始めたのは5ヶ月を過ぎた頃。10倍粥から始まり野菜・たんぱく質(魚・大豆等)など順調に進んでいきました。

 

離乳食で鶏卵をスタートさせる際には「卵黄」と「卵白」で分けられ、離乳食開始時期の目安も異なります。2019年春に改定された【授乳・離乳の支援ガイド】では鶏卵の離乳食開始時期は以下の様になりました。

 

 

【鶏卵の離乳食開始時期と進め方】

  • 離乳食初期【5〜6ヶ月頃】・・・固茹でした卵黄
  • 離乳食中期【7〜8ヶ月頃】・・・卵黄1個〜全卵3分の1個
  • 離乳食後期【9〜11ヶ月頃】・・・全卵2分の1個
  • 離乳食完了期【12〜18ヶ月頃】・・・全卵2分の1〜3分の2

厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)より

 

 

2019年以前は、卵は7〜8ヶ月頃に摂取する人が多く、中には「1歳過ぎてから」という認識もあったようです。

「アレルギーが心配なら摂取を遅らせる」という方法も広まっていましたが、実際には根拠のない方法のようで、『授乳・離乳の支援ガイド』でも「特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はない」と記載されています。

 

私もアレルギーを恐れながら慎重に離乳食を進めており「心配なら開始時期を遅らせよう」と、生後8ヶ月を過ぎた頃に固茹でした卵黄からスタートさせていきました。

 

 

息子の鶏卵アレルギー症状

 

生後8ヶ月で初めて摂取した卵黄。アレルギー症状が出た時のことを考え、病院へ駆けつけられる昼食時に固茹でした卵黄スプーン1杯を食べさせました。

 

摂取して間も無く『口の周りにポツポツとした発疹』がみられました。重篤な症状であるアナフィラキシーショックや口腔内・全身での発疹はなく、息子のその後の体調にも変化がなかったのでそのまま様子を見ることにしました。

もう一つ気になったのが『下痢の症状』でした。下痢と言っても卵を摂取した直後の便が緩くその後は快腸。毎回ではありませんがこのような症状があったことを気にかけていました。

 

その後、1週間に一度のペースで固茹で卵黄スプーン1杯を食べさせましたが、やはり症状は変わらないため近くの小児科で検査することにしました。




採血でのアレルギー検査

 

近隣の小児科にて実際のアレルギー症状を診察してもらい、採血によるアレルギーの数値を出してもらうことになりました。

小児科の先生の初見は「軽い症状で、これが卵によるのものか否かは検査してみなければ分からない」とのことでした。検査結果が出るまでは卵の摂取は控えるよう指示を頂きこの日は帰宅しました。

 

 

数日後、採血の検査結果により「鶏卵アレルギー」と診断されました。息子は卵黄・卵白の両方にアレルギー反応があり、特に卵白はアレルギーレベル5段階中レベル4の数値が出ていました。このことから、今後のアレルギー対処法を考えていくため他病院の紹介状を頂きました。

 

 

食物経口負荷試験とは?

 

『食物経口負荷試験』とは、アレルギーが疑われる食物を実際に摂取し症状をみる確定診断法です。採血による数値も間違いではありませんが、その数値とアレルギー症状には個人差があるそうです。息子の場合、数値は高めですが症状は軽く、逆に数値は低いが、症状は重いという方もいらっしゃるそうです。

 

万が一に備え先生や看護師さんに見守られながら、少量ずつ摂取しいくつかの段階をふみながら安全に摂取できる量を診断していきます。

 

 

息子の食物経口負荷試験の様子

 

紹介された病院にて再度採血を行い、その数値をもとに『食物経口負荷試験』を始めました。

 

息子の場合、朝9時〜14時頃の半日入院で行われ、病棟の一室に同じく食物経口負荷試験を受ける子達と一緒に行いました。持っているアレルギーは異なりましたが、一緒におもちゃで遊んだりDVDを見たり賑やかな環境でしたが、アレルギー反応で腹痛や痒みの症状が出ると空気は一変、緊張感に包まれていました。

 

 

息子の食物経口負荷試験スケジュール

【息子の食物経口負荷試験スケジュール】

  •  9:00  検温・血圧等の診察
  • 10:00  1回目アレルギー食物摂取(卵黄少量)
  • 11:00 2回目アレルギー食物摂取(卵黄少量)
  • 12:00  アレルギー症状に問題なければ昼食(病院食)
  • その後も問題なければ、次回のスケジュール等を組み帰宅

 

基本的にはアレルギーが疑われる食物のみを摂取しますが、好き嫌いなどで子供が口にしないことも多いそうで、試験がスムーズに進むようアレルギーのない食材を持参し食べやすい工夫をするようお願いされていました。

息子の鶏卵の場合、ケチャップとお塩が病院で準備され、それ以外にもあれば持参というかたちでした。小麦アレルギーのお子様は、食パンを摂取していたのでジャムを持参されていました。

 

 

それでも多くの子が腹痛や痒みを嫌がり食べたくないと訴えるので親御さんは食べさせるのに一苦労といった感じで、息子も卵黄や卵白だけでは食べたくないと口から出していました。お茶で流し込みなんとか食べてくれましたが、中には全く食べられず試験を断念する子もいました。

 

 

また、この試験は入院という形で安全に行われます。外出はできませんし、フラットお散歩というのも難しいかと思います。しかし、試験内容としては「食べるだけ」なので暇な時間がほとんどです。特に小さなお子様は暇つぶし出来るおもちゃなどのアイテムが必要かもしれません。




食物経口負荷試験終了後の家庭での摂取方法

 

1回目の食物経口負荷試験を終え、主治医から次回試験日までの摂取方法を指導されました。いくつかの資料も頂き、固茹で卵の調理法・市販品に含まれる鶏卵量のレベル表もありとても役に立ちました。

 

自宅では「固茹で卵黄○グラムを1週間に2〜3回摂取する」というような細かい指示を頂き、万が一アレルギー反応が出た時の為にアレルギー症状を抑えてくれる抗ヒスタミン剤も処方して頂きました。

 

主治医の指示通りに卵黄の摂取を行い、指定されたレベルの市販食品も試してみました。息子の鶏卵完全除去中に食べることのできる市販品は本当に少なかったので、市販品アレルギー表を見ながら食材を探せるのは本当に助かりました。

 

家庭での摂取に問題がなければ次の段階「卵白の摂取」に進みます。試験方法は1回目と同様で、試験時に問題のある症状はなかった為、その後は主治医の指示のもと家庭で摂取量を増やしていきました。

 

 

アレルギー症状が改善されていく様子

 

鶏卵アレルギーが判明した当時の息子の主な症状は「口の周りの発疹」「下痢」でした。

主治医からの診察では「口の周りの発疹は軽く20分程度で消えていく。下痢に関してもその後の様子に異変がなければ大丈夫」ということで、継続して摂取し慣らしていくこととなりました。

 

 

3歳現在での卵白の数値はレベル3程度ありますが、2歳になる頃には、卵を気にせず食事が行えるようになり、火の通りが気になる外食でも進んで摂取するようになりました。口の周りの発疹や食後の軟便は今でも見られる症状ですが、毎回ではありませんし息子の体調も良さそうなので、鶏卵を除去することなく食事を摂っています。




アレルギーに関する私の失敗談

 

鶏卵アレルギーの息子ですが完全除去の時期もあったので、食事だけでなくお菓子でも「卵が入っているから食べれないよ」と言い聞かせていました。それを口にしすぎたのか、いざ卵の摂取が始まった時に息子は「僕、卵食べれないから」と嫌がってしまいました。

 

最近になって嫌々でもだし巻き卵を食べられるようになってきましたが、ゆで卵はもちろんオムライスもスプーンは進みません。「卵じゃないよ」とごまかしますが通用せず・・・卵の形が見えなければ食べられるのでこのままでも平気ですかね^^;

 

 

アレルギーの改善は皮膚のケアも重要だった

 

これは私も驚いたのですが、アレルギーを改善するには『皮膚のケア』も大切だというのです。これは『授乳・離乳の支援ガイド』にも記載されており、息子の診察時にも主治医から毎日の保湿を指導されていました。

 

体の中だけでアレルギー反応が出ているとばかり思っていた私ですが、乾燥肌だったり皮膚が荒れている状態というのもアレルギーを発症する一つの原因となるそうです。

 

息子は花粉症も持つアレルギー体質なのですが、肌も乾燥肌のようでお風呂上がりと朝の保湿は今でも欠かさず行っています。肌を清潔に保つこともアレルギーの改善につながっているようです。

 

 

花粉症も摂取して改善へ?

 

幼児の花粉症は近年増加傾向にあるそうで、今年3歳の息子もスギ花粉にやられてしまいました。しかもアレルギーレベルはほぼMAXで鶏卵より高い数値でした。鼻水・目の痒み・咳の症状が見られ、目薬と飲み薬を処方してもらいました。

 

その時主治医から伺った話なのですが、『鶏卵を摂取して体に慣れさせたように、スギ花粉も摂取して改善していく方法(舌下免疫治療法)があるんです』というのです。

 

実は主人も雑草を含む年中花粉症持ちで、病院で薬を処方してもらうんですが『全然効かない』なんてことがよくあるんです。花粉症の薬は緩和程度みたいですし、薬によっては眠くなったり喉が渇いたりなんていうことも聞きます。

 

薬を服用しなくていいに越したことはありませんし、是非試したいところではありますが、この試験は5歳〜が対象だそうです。

息子が5歳になってまだスギ花粉が改善されていないようであれば検討していきますので、またその時はご紹介させて下さい^^