MRIとレントゲンを使用した関節画像診断の検査方法と結果【2歳 血友病】

MRIとレントゲンを使用した関節画像診断の検査方法と結果【2歳 血友病】

現在の血友病治療において最も気をつけたい出血である関節内出血。中でも、足関節・ヒザ関節・股関節は定期補充療法が確立してきた現在でもよく診られる出血です。

私たちも、関節への強い衝撃は常に心配しており、血友病治療を開始して1年を節目に、関節内の状態を知ることのできる「関節画像診断」を受けてきました。今回のブログでは、幼児期のレントゲンやMRIを使用した検査の様子をお伝えしていきます。




 

レントゲンとCTの違いは?

 

MRIの使用経験がなくても、レントゲンやCTは使用したことがあるという方は多いのではないでしょうか?私も、指を骨折した際や歯科医院でレントゲンを使用した経験があります。レントゲンとCTはX線を使用した画像診断方法ですが、得られる画像の性質は全く異なります。

 

【レントゲン】
一方向から放射線を照射し、カメラのようにフィルムに画像を焼き付けた2次元画像

【CT】
多角的に放射線を照射し、そこで得たデータを解析して再構築された3次元的画像

 

どちらとも放射線による被ばくがあり、「CTの方が被ばく線量としては多い」とされていますが、発がんのリスクにそれほど多くの影響を与えるものではないと考えられています。

 

MRIとは?

 

MRIとは、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging)の略で、強い磁気と電磁波を使って体内の状態を断面画像として描写します。レントゲンやCTで心配される放射線による被ばくがないため小児でも安心して検査を受けることができます。MRIは頭部・脊髄・脊椎・関節の画像診断を得意とし、血管(MRA)や胆のう・胆管・膵管(MRCP)を描写することも可能です。

 

検査時間は30分〜1時間とレントゲンやCTに比べ長く、検査中はとても大きな音がするのが特徴です。

また、強い磁気を使っているのでそれによって何らかの影響を受けてしまう人はMRI検査を受けることができません。患者の付き添い人であっても入室時には注意が必要です。

 

関節画像診断を行なった理由

 

 

定期補充療法が普及している現在、息子のような幼児期に関節を痛めてしまうことは極めて少なく、検査に入る前から「きっと異常は見られないだろう」と主治医から言われていました。

 

 

この関節画像診断というものを知ったのは今から約半年前で、目には見えない、私たちでは知ることのできない息子の関節内を見られる便利な検査があるんだなぁと感心しました。「関節内出血が起こると痛くて歩けない」と見た目で判断できるようですが、息子はたまーに膝を抑えたりさっきまでしていたジャンプを突然やめたりという姿が見られていました。その直後には普段と変わらない様子で走り出すのですが、親としては何だか心配^^;

今検査をやる必要性もないのかなぁ?なんて思いもありましたが、血友病と診断されて1年が過ぎたのをきっかけに、治療の成果として検査を受けることにしました。

 

この検査は4年に1回というオリンピックと同じペースで行なっていく予定です^^



検査当日の流れ

 

  • 13:00 病院到着 入院手続き
  • 13:30 血圧・体温・採血・定期輸注
  • 15:30 血圧・体温・レントゲン
  • 16:00 麻酔薬投与
  • 16:30 MRI 開始
  • 17:15 MRI 終了
  • 20:00 目を覚ます
  • 21:00 帰宅

 

息子のような幼児がMRIを使用する際は、麻酔薬を使用することが殆どです。事前に先生からのお願いで「できるだけ眠たい状態を作って下さい」と言われていました。究極に眠たい状態を作ったので「麻酔なくても大丈夫なんじゃない?」と思っていましたが、MRIってすーっごく大きな音が鳴り響くんですよね(>_<)あまりにも大きな音なので検査中はヘッドホンを付けるんですけど、それでも狭い部屋でアンプに繋がれたエレキギターの音を聞いているようで。耳が痛いなんてことはないですが、検査終了後に「息子の耳が心配です(>_<)」とMRI担当の先生に聞いてしまいました^^;

MRI使用中は絶対に動いてはいけないので、幼児が麻酔なしでMRI検査を受けることは到底無理だとよく分かりました。

 

目を覚ましてからは「お腹が空いた!」と病院から準備されていた晩御飯をモリモリ食べていました。しかし、麻酔は完全には切れていないようで、帰宅後はハイテンションだしヨロけてるし、まるで酔っ払いのオヤジさんをみているようでした^^;

 

関節画像診断の検査結果

 

この関節画像検査終了後から家庭輸注へ移行したため、検査結果は1ヶ月後の報告となりました。結果は主治医と専門の先生に診ていただき、「かなり綺麗」ということでホッとし改めて薬の効果を実感することができました。

 

血友病患者様で出血が起きているかなと感じる時「関節がモヤモヤする」と表現されることが多いようですが、それが画像で診られたりということはないようで、それはあくまで患者様の感覚でしかないようです。息子が膝を抑えたりする仕草ももしかしたら「関節がモヤモヤする」という状態なのかもしれませんが、今回の画像診断で異常が見られなくて一安心しました^^

 

今後は友達と活発に遊んだり、スポーツに取り組んだりと更に活動が広がっていきます。自由に活動しながら、次の4年後も関節が綺麗な状態でありますように^^