経験から学んだ妊婦の免疫力低下と、注意すべき風邪や感染症について

経験から学んだ妊婦の免疫力低下と、注意すべき風邪や感染症について

妊娠中、「妊婦さんは免疫力が低下するので体調に気をつけよう」と言われますが、私は第一子妊娠時、つわり以外の体調不良に悩まされることなく「本当に免疫力下がっているの?」と感じるくらい順調に妊娠生活を送っていました。

そして現在、第二子妊娠中で間も無く出産を迎えるのですが、第二子妊娠期間中、活動を制限する程ではないものの二度も体調を崩してしまい、「やっぱり妊婦は免疫力が低下している」と痛感することになってしまいました。

 

今回のブログでは、私の経験を元に「妊婦の免疫力低下」と「風邪・感染症」について学んでいきますが、この情報が妊婦さんだけでなく、妊婦さんと関わる全ての方に知って頂き、お母さんとお腹の赤ちゃんのより良い環境づくりに役立ててもらえれば幸いです。





どうして妊娠中は免疫力が低下するの?

 

まず、どうして妊娠中は免疫力が低下してしまうのか?

それは、母体の免疫細胞がお腹の赤ちゃんを異物とみなして攻撃してしまわないよう、母体の免疫力を低下させています

その為、普段なら大丈夫な弱い菌でも合併症を起こし重症化してしまう恐れがあり、中にはお腹の赤ちゃんにも悪影響を与えてしまう感染症もあります。

 

また、妊娠期間中だけでなく産後約3ヶ月間も、出産による身体の疲労や赤ちゃんのお世話により免疫力が低下した状態にあるようです。

 

妊娠中に気をつけたい感染症

 

ー 人から人へ移る感染症 ー

  • 風疹 発熱や発疹・リンパ節腫脹が主な症状。妊娠週数によってリスクは異なるが胎児に難聴・白内障・緑内障・心臓疾患が起こる可能性がある。
  • おたふくかぜ 妊娠中の発症は重症化しやすいとされ、妊娠初期では流産の可能性も。先天異常や奇形の確率は低いとされている。
  • 水ぼうそう 妊娠中の発症は重症化しやすく胎児の先天異常の可能性も。妊娠中に水ぼうそうの予防接種は受けられないので、人ごみを避けるなど感染経路を断つことが重要。
  • はしか 妊娠中の発症は重症化しやすく流産・早産の可能性も。周囲にはしかに感染した人がいる場合は絶対に近づかないことが大切。胎児へのはしか感染はないとされている。
  • インフルエンザ インフルエンザウイルスの母子感染はないが、妊娠中に感染すると重症化しやすい。妊娠中のインフルエンザワクチンは問題ないとされているので予防接種を受けたり手洗いうがいを徹底することが大切。感染しても、抗インフルエンザ薬の処方は可能。

 

ー 性接触により発症する感染症 ー

  • B型肝炎 感染者との性接触によってB型肝炎ウイルスに感染すると発症。妊娠初期の血液検査で妊婦に感染が確認された場合は、出産してすぐの赤ちゃんにワクチンを投与して母体からの感染を防ぎます。
  • クラミジア 女性には自覚症状がないので注意が必要。妊娠初期に感染すると流産の危険がある。妊娠中に治療を行い赤ちゃんの産道感染を防ぎます。
  • 梅毒 妊娠初期の血液検査で調べ、早期治療が可能。

 

ー その他の感染症 ー

  • トキソプラズマ トキソプラズマ原虫が口に入ることで感染。胎児へは先天性異常・流産・早産の可能性があるので早期治療が必要。生肉を食べない・生野菜や果物はよく洗ってから食す・ペットの糞処理やガーデニングの際には手袋を使用する等で予防する。
  • サイトメガロウイルス 唾液や尿に含まれる日常的に存在するウイルス。妊娠中に感染すると赤ちゃんに様々な障害を引き起こす可能性がある。幼児の唾液や尿から感染することもあるので手洗いうがいの徹底・箸や食器の共有を避けることで予防する。

 

 

妊娠中に気を付けたい感染症は上記以外にもあり、人から人へ感染するもの・食物・ペット・土など感染経路は様々です。

妊娠中に初めて感染すると胎児に悪影響を与える感染症もあるので、感染症の疑いがある人は妊婦に接触しないようにするなどの配慮が必要です。

 

妊婦さんは、外出時のマスク着用・手洗いうがいの徹底・食事の管理などの感染対策に取り組むことが重要です。

また、妊娠初期からの妊婦検診も感染症対策の重要な役割を担っています。

妊娠中に使用できる薬は限られていますが、低下してしまった免疫力が更に下がってしまわないよう、体に異変を感じたら病院へ相談し対策していきましょう。




妊娠中、二度も体調を崩してしまった私の経験談

 

「妊婦は免疫力が低下する」ということを知りながら、第一子妊娠時、風邪等のトラブルが無かったことから少し油断してしまった私。

新型コロナウイルスもあり人混みや外出はなるべく避け、外出時には必ずマスクを着用していましたが、妊娠中期と後期に風邪をこじらせてしまいました。

 

その両方の感染経路は・・・「幼稚園へ通う長男」でした。

 

長男が通園する幼稚園ではマスクの着用義務がなく、ほとんどの園児がマスクを着用していませんでした。

更に、真冬という季節もあり鼻水を垂らし風邪を引いている園児もチラホラ・・・息子はマスクを着用し登園していましたが、運動時には呼吸の問題から先生からマスクを外すよう促されたり、給食時やお昼寝の時にはマスクを外していました。

 

完全な感染対策はできる訳もなく、風邪を引いて帰ってきた息子から感染してしまいました。

その際に私も自宅でマスクを着用し感染予防に勤めれば良かったのですが、「ただの風邪」と安易に考えいつも通り過ごした結果、「妊婦の免疫力低下」を痛感することとなってしまったのです。

 

 

漢方や薬を処方してもらっても完全には治らない

 

二度拗らせてしまった風邪は幸い、熱や身体の怠さはなく生活に支障は無かったのですが、鼻水と喉の痛みが治ることはありませんでした。

 

特に妊娠後期に拗らせた風邪は酷く、妊婦さんで経験する方も多いという「副鼻腔炎」になってしまいました。

初めは鼻水と咳だけだったのですが、そのうち顔面(頬・歯)に痛みを感じ、就寝時も鼻呼吸ができず睡眠が取れなくなったので、とりあえずネットで自分の症状を調べてみると「副鼻腔炎」と完全一致。
自宅でできる処置として鼻洗浄が記載されていたので、自宅にあった鼻洗浄液を使用しました。

鼻洗浄で症状はかなり改善され、その後、産婦人科で症状を相談。漢方とお薬を処方してもらいました。

 

やはり病院で処方してもらうお薬は良いのでしょう。鼻水も止まり、頬の痛みも徐々にですが治っていきました。喉の痛みに関してはスッキリしない状況が続いていますが、睡眠もしっかり取れるようになりました。

 

また今回、風邪を拗らせてしまった際に悩んだことと言えば、病院に行くタイミングでした。

妊婦健診は定期的に予約が入っているし、「次回まで様子見ようかな」という思いも強かったですが、熱や身体のだるさ・睡眠不足など、赤ちゃんにも悪影響になるような症状が見られる場合は迷わず病院へ相談することが大切ですね。

 

妊婦の風邪とお薬

 

妊娠中に風邪を引いてしまうと心配なのはお薬の事ですよね。

「服用した薬が胎児に何らかの影響を与えてしまったら」「そもそも薬を服用しても良いのか?」

私も病院から処方してもらった薬を服用しましたが、不安や罪悪感は拭えませんでした。

 

しかし、現在は妊婦でも服用できるお薬は増えているとの事。但し、薬がもたらす胎児への影響は妊娠周期によって変わるので、市販薬は避け必ずかかりつけ病院への相談が必須です。

また、妊娠中のトラブルによく使用される「漢方」。安全というイメージが強いですが、妊婦の服用が望ましくないものもあります。

 

妊娠中の薬についてネットではたくさんの情報が記載されていますが、母体の体質や妊娠週数・胎児の成長は人それぞれなので、ネットの情報はあくまで参考に、必ずかかりつけ病院へ相談しましょう。




妊娠中の風邪トラブルを避けるための対処法

 

上記でご紹介した「妊娠中に気をつけたい感染症」については、食事制限や手洗い・うがいで防いでいきますが、季節の変わり目や乾燥など、何気なく引いてしまう風邪へはどう対策していけば良いのでしょうか。

 


1. 無理をせずしっかり休息をとろう

風邪は免疫力は低下しているときに引いてしまいます。ただでさえ免疫力は低下しているので、「疲れてるな」感じたら無理をせず休息しましょう。


 

2. 運動をしよう

妊娠中とはいえ、軽い運動は免疫力を低下させないためにも必要です。但し、お腹の張りや母体の体調に十分配慮して行いましょう。


 

3. 身体を温めよう

妊娠中に身体を冷やしてしまうのは赤ちゃんにとっても良いことではありません。お風呂に浸かったり、温かいのものを食事に取り入れましょう。


 

4. 水分を摂ろう

風邪で鼻水や咳が出ると水分が奪われてしまいます。水分は胎児にとっても大切なものなので、いつもより多めに水分を摂取しましょう。

私は、第一子妊娠時に便秘に悩まされ、かなり辛い思いをしました。水分摂取は便秘改善にも良いです。特に朝一番のコップ一杯の白湯。お勧めします!


 

5. 就寝時のマスク着用

特に空気が乾燥する時期には就寝時のマスク着用は必須でした。喉を痛めるとそこから菌が侵入してしまうので喉を守ることは重要です。


 

子供からもらう風邪を防ぐことはできるのか?

 

さて、長男から風邪をもらい拗らせてしまった私ですが、調べてみると「妊娠中に子供から風邪をもらい拗らせてしまった」という経験をされている方は多いようです。

 

妊婦に関係なく、「子供から大人へ感染した風邪は長引く、酷くなる」と耳にしますが、実際、幼稚園では抗生剤の効かない「耐性菌」というのが急増しているようで、これに大人が感染すると重症化してしまうケースがあるようです。

私は「子供の風邪だから移っても大丈夫だろう」と安易に考えてしまったところもあるので、そこが今回の大きな反省点ですが、子育てをしながらの妊娠生活の中で、子供から風邪をもらってしまう1番の原因は「上の子を放ってはおけない」という親としての責任ではないでしょうか。

 

子供の看病をする前に感染対策を取れれば良いですが、そうも出来ないのが子育て。私は今回、少し辛い思いをしたのでもう一度同じ状況になったら出来る限りの感染対策を取りたいと思いますが、対策していても同じ空間で過ごす以上完璧もありません。

「できることはやる」。それでも何らかのトラブルが起きてしまった際は、必ず病院へ相談する。それ以上はないのかもしれません。