子ども靴の正しい選び方を知ろう。足関節の関節内出血について。
- 2019.04.15
- 基本情報
子どもの靴選びって難しいですよね?
「足の指先に1㎝程の隙間が必要で、大き過ぎは良くない」と聞いたことがあっても、すぐにサイズアウトするし、子どもはデザイン重視で靴を選ぼうとするし、「少し大きいくらい大丈夫!」となりがちではないですか?
しかし、足は歩行時に全体重を支え、衝撃を吸収しながら前に進むという大切な役割を担っています。
特に、血友病では関節内出血を起こしやすい部位でもあるので、今一度正しい靴の選び方を学び、現在履いている靴が子どもにあっているのか確認してみてはいかがでしょうか。
子どもの足の成長
子どもの足の発達は、柔らかい軟骨から始まり、10歳頃で骨の数が揃い、18歳頃にようやく大人と同じ作りになります。
この発達過程に、正しい靴選びで足の形を正しく支えていくことが大切だとされています。
実は子どもの足の変形が現在、深刻な問題となっているようで、幼稚園児で約5%、小学生で約30%に外反母趾が認められています。
原因の一つに、通学用にローファーを使用していることもあるようですが、大きくて足に合っていない靴が、まだ未熟な子どもの足の成長を妨げ、変形させている状況にあるようです。
正しい靴を履いていないとどうなるの?
子どもは10歳ぐらいまで自分の足の感覚をきちんと表現することができない為、靴のサイズが小さくなってしまってもその靴を履き続けることができるそうです。
また、「子どもの足はすぐに大きくなるから」と大きめのサイズを履くことも、靴の中で足が滑り、指先が曲がることによってしっかりと踏ん張ることができない状況を作ってしまいます。
長期に渡り合わない靴を履いていると、外反母趾や変形性膝関節症といった足のトラブルを起こし、やがて体の歪みによる腰痛や肩こりなど全身にまで悪影響を及ぼしてしまいます。
正しい靴の選び方
足は体を支える大切な役割を担っています。土台がしっかりしていなければ全身を支えられませんし、足に変形が見られバランスが崩れてしまうと、その他の部位に余計な負担がかかってしまいます。
しかし、崩れてしまったバランスは整えてあげることで正しい歩行へと補正することができます。
子どもの靴の選び方
10歳未満の子どもは、その靴が自分に合っているか判断できないため、3ヶ月に一度のチェックが好ましいとされています。
子ども靴のサイズ確認方法
2、中敷を手に取り、その上に子どもの足を乗せます
3、子どものかかとを中敷のかかとに合わせ、捨て寸と呼ばれるつま先部分の余裕を見ます
4、捨て寸が1㎝未満なら小さいと判断し、ワンサイズ大きな靴に買い替えましょう
子ども靴が販売されているお店では、足のサイズが測れるようになっています。現在の靴が汚れたり、すり減っていて新調したい場合は、定員さんに尋ねてみるのもいいでしょう。
まだ幼い子どもは大人しくしていませんからタイミングが大切です^^;
現在履いている靴をチェックしてみましょう
現在履いている靴に「捨て寸1㎝ある」という方も、今一度、子どもの靴の状態をチェックしてみて下さい。靴はサイズだけでなく、靴の状態というのも大切なようです。
子ども靴のポイント
・1㎝程度の捨て寸があるか
・靴底のすり減りに左右の差がないか
・靴のかかとを足で踏みつぶしていないか
・靴の中に砂や石などの異物が入っていないか
・中敷のクッションがへたっていないか
中敷が変形している、靴底のすり減りが左右異なっている・外側だけがすり減っていると正しい歩行が行われていない状況にあると言えます。
その際は、インソールを使用したり、靴ひもをしっかり締めてあげるだけでもバランスが補正され正しい歩行へと改善できるようです^^
子どもに正しい靴の履き方を指導しよう
『子ども靴のポイント』にあったように、靴を正しく履くことも足を守るために大切なことです。
私たち大人も含め、「立ち姿勢で靴を履き、つま先をトントンとする」という人も多いと思いますが、実はそれ間違った履き方のようです。
1、必ず椅子に腰をかけましょう
2、靴ベラを使用し足を入れます
3、靴ひもやマジックテープを留める時は、かかとは地面につけ、つま先を上げた状態で留めましょう
小さい頃から「靴ベラの使用は難しいのでは?」と思いますよね。確かに練習は必要ですが、大人になっても正しい靴の履き方の習慣をつけるためには大切なことのようです。
私自身、靴ベラを使用する習慣がなく、お父さんが革靴に使用するというイメージしか持っていませんでした。
しかし、足首を守るためにハイカットシューズを履いている息子は、靴の形上どうしても自分で靴が履けずにいましたが、「こんな息子にこそ靴ベラが必要ではないか!」と今回学びました。
現在では、携帯用のコンパクトな靴ベラも販売されていますし、早速試してみたいと思います^^
血友病と足関節
足関節での関節内出血は、肘関節・膝関節に並ぶ三大関節の一つです。
上記で記載したように、足関節は健常者でも痛めやすく、障害の起こりやすい部位です。
止血が困難な血友病は、関節内での出血リスクが同時に伴い、その出血が慢性化してしまうと血友病性関節症を起こしてしまい、歩行に大きな支障をきたします。
では、足関節を痛めるとどのような症状が見られるのでしょうか。
足関節での関節内出血
足関節で関節内出血が起こると、肘や膝関節と同じように、腫れ・痛み・熱感といった症状がみられます。
さらに関節内出血を繰り返すと慢性化してしまい、血友病性関節症を起こし歩行に支障が出てしまいます。
「関節内出血が何回繰り返えされると、どのような支障を及ぼすのか」というデータには個人差があるため、定期輸注をしっかり行うこと、出血が見られたら迅速に出血時補充療法を行うことが慢性化を防ぐための基本となります。
血友病治療における注射以外の応急処置【RICE】についてはこちら
幼児期に起こる足関節出血のきっかけ
幼児期における足関節での関節内出血は、足の発達が未完成な上に運動が活発なため、しっかりと守っていきたい部位です。
・捻挫(特に歩き始めの頃)
・強い衝撃(高所からの飛び降り)
・正しい歩行がされず、足のバランスが崩れている
定期輸注の導入により、日常生活で関節内出血を繰り返してしまうことは少なくなってきていますが、運動量が活発で制限が難しい幼児期には、正しいサイズ・正しい靴の履き方、また足をサポートしてくてる靴を選ぶことも大切となります。
息子も血友病と診断されてすぐに、靴を選び直しました。
子どもの足を守る最適な靴選び
サイズの測り方・正しい靴の履き方は健常者と同様ですが、血友病患者には足関節が保護できる”ハイカットシューズ”が最適とされています。
また、足に拘縮(こうしゅく)【足に可動制限がある状態】があれば、“ロッカーボトムシューズ”が適しているとされています。
足関節に血友病性関節症を伴う場合は、治療用の整形靴やインソール・装具を使用することもあります。
なお、治療用の装具を使用する際は、補装具費支給制度を受けることができるようです。
血友病のお子さまは幼稚園や小学校での上履きにも配慮が必要かもしれません
幼稚園や小学校で指定される上履きは、全体的に柔らかく、靴底に補強材が入っていないバレエシューズのようなものが多いです。しかし、これでは足を安定させることができず、足首にも負担がかかってしまいます。
学校に足を痛めやすいことを伝え、スニーカータイプの靴を上履きにできるよう配慮してもらうのがベストですが、みんなと違うことから問題が生じてしまうこともあるかもしれません。
そのような場合には、上履きの甲の部分にシューズバンドを使用して足を固定させたり、クッション性のある中敷を使用したりして、なるべくみんなと同じ状態を作ってあげながらも足を守れる工夫をしてみましょう。
まとめ
子どもが足の違和感を訴えてくれなければ、本当に適した靴を選び使用することはなかなか難しいように思います。また外遊びが活発になれば、すぐに靴が汚れてしまうことからなるべく高価なものは避けたいと感じますよね^^;
安価なものは素材的にも少し不安があったりしますが、そこにインソールを入れてみるだけでも体への負担は軽減されるかもしれません。
まだ未発達な子どもの大切な足だからこそ今一度、お子さまの靴をチェックしてみてください。
また、今回のテーマは幼少期に限らず、我々大人もこれから歳を重ねていく中で少しでも体への負担を減らすためのちょっとした知識になるのではないでしょうか^^
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