自己肯定感ってなに?幼少期から取り組みたい自己肯定感の高め方について
- 2021.03.15
- 子育て
私は最近「自己肯定感」という言葉をよく目にするのですが、文字を見れば何となく理解できるものの、実際の生活と「自己肯定感」がどのように関わっているのか?
調べていくと「自己肯定感」は日々の生活から積み上げられるもので、幼少期に受ける親からの言葉や行動が大きく関係しているんだとか。
今回のブログでは、自己肯定感とは何かを知り、それが子供の人生にどう関係していくのか?私たち親には何ができるのかを考えていきます。
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自己肯定感とは?
自己肯定感とは、長所・短所を含め「自分はありのままでいいんだ」と自分の価値を認める感情のことで、自己肯定感の高い人には次のような特徴があるようです。
【自己肯定感の高い人に見られる特徴】
- コミュニケーション能力が高い
- 自分の感情や衝動をコントロールできる
- ポジティブ・プラス思考
- 集中力が高い
- チャレンジ精神がある
- 人と自分を比べることなく幸福感が高い
どの特徴も「こんな風に育ってほしい」と親が望むものですが、残念ながら「日本では諸先進国に比べ自己肯定感が低い」というデータが内閣府から発表されています。
日本と諸外国の若者の意識に関する調査
平成30(2018)年度「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」の一部より
(対象年齢13歳〜満29歳までの男女)
- 自分自身に満足している・・・45.1%
- 自分には長所があると感じている・・・62.3%
上記アンケートにて最も高かった自己認識は、「自分の親から愛されている(大切にされている)と思う」で79.0%という結果が出ており、約8割の若者が良い回答を行なっています。
しかし、上記2項目の調査結果は諸外国に比べ低く、更に平成25年度に行なった同様の調査よりも低下しているという結果が出されています。
自己肯定感が高いとなぜ良いのか?
自己肯定感が高い人の特徴を上記で挙げましたが、逆に自己肯定感が低いとどのような特徴が現れるのでしょうか?
【自己肯定感の低い人の特徴】
- 成功よりも失敗した体験を強く意識してしまう
- 自分を否定的に捉えてしまう
- 自らの感情をコントロールできず情緒不安定
- 自分や他人を信頼できない
- 協調性がない
- 諦めやすい
いわゆる「マイナス思考やネガティブ」といった特徴が多いですが、マイナス思考は決して悪いことではなく、むしろ自分を守るために必要なものだそうです。ただ、そのマイナス思考に陥った時にどう行動するかという点に自己肯定感が大きく関わってくるようです。
長い人生の中で壁にぶち当たる状況は何度もありますが、その時にどう行動できるか。
自己肯定感とは、人生を切り開くチャレンジ精神のベースとなり、より良い生活を送るために必要な力とも言えるのです。
では、自己肯定感を高めるために大切なことは何なのか?
そこには、幼少期からの親の言動が大きく関わっているのですが、自己肯定感に対する親の認識が低いというデータも出ています。
「思いやりのある子に育ってほしい」「何事にも前向きに取り組む人になってほしい」などの思いを抱く親御様は多いはず。私たち親も、子供の自己肯定感に着目し共に歩んでいく必要があるのではないでしょうか。
自己肯定感を高める方法とは?
自己肯定感は、成長していく過程で育まれていくものなので親の言動が大きく影響すると言われています。
子供が日々成長していく中には嬉しいことはもちろん、何かを間違ったり失敗してしまうこともありますが、『子供の全てを受け入れること』これが自己肯定感を高めるために必要です。
以下に、自己肯定感を高めるために親にできることをまとめてみました。
《 結果ではなくプロセスを認める 》
子供の能力や結果だけを褒めるのではなく、そこに到るまでの子供の挑戦や努力・頑張りを認めてあげることで自己肯定感は育まれていきます。
《 失敗してしまった時には励まし、大人の失敗も伝える 》
「また次頑張ろう」など、子供に寄り添い励ましてあげましょう。また、「大人の失敗」を伝え親の弱みも見せることで、失敗を恐れず次に挑戦する勇気を与えることができます。
《 比べるのは「他人」ではなく「少し前の自分」》
他人と比べてしまうと「周りを気にする子」になってしまいます。「前は出来なかったのに出来るようになったね」と成長を認めることで、安心感・充実感を得られ次のモチベーションへと繋がります。
《 役割を与える 》
日本人は人との関わりに自己肯定感が大きく左右されるようで、「自分は誰かの役に立っている」「人を信じられる」と感じることがとても大切なようです。家庭の中でも子供に役割を与え「自分は認められている」と感じることで自己肯定感が育まれていきます。また、役割を果たした後の「ありがとう」の言葉も大切です。
《 短所も個性 》
短所も長所も含めてその子の個性と捉え、短所を矯正することをやめましょう。大人になって履歴書を書く際、短所の欄は長所に変換して書きますよね。面接官は自己分析できているかを図るために問うわけですが、子供の短所もいつかどこかで発揮されるかもしれません。いろいろな人や多様な価値観と出会う機会を作ってあげましょう。
《 勉強のスランプは生活の中で補っていく 》
後でもお話ししますが、小学校から始まる勉強が自己肯定感を下げる要因と言われています。勉強は成績として目に見えてしまい他人と比べることで劣等感を抱きやすいのです。そんな時は、苦手分野を生活の中で実体験として取り入れ(算数が苦手なら買い物の支払いを子供に任せるなど)、実体験から生まれる興味が勉強の苦手を克服するきっかけになるかもしれません。
子供は親の姿を見て自分の価値を推し量っているので、親からの愛情や子供にとって親は安全な場所であるという認識は自己肯定感を高めるために必要不可欠だと言います。
それとは逆に、『子供を否定すること』。これは、自己肯定感を低くしてしまう原因となります。
次に、自己肯定感を低くしてしまう親の言動や行動についてまとめてみました。
自己肯定感が低くなってしまう原因
自己肯定感が低くなってしまう原因は様々ですが、大きくまとめると『周りの言動によって自己否定感が強くなってしまう』これが自己肯定感を低くする原因となっているようです。
下記では、親が子供に与える自己肯定感低下の原因についてまとめてみました。
《 子供の話を聞かない 》
話しを聞かないというのは「自分に興味がない」「分かってもらえない」という感情を生み出してしまいます。また、話を聞いてもそれに反応しなかったり、くだらないと突き放してしまうのも自己否定の原因となります。
《 親が子供の行動を決めてしまう 》
日々成長していく子供の行動や好みを制限し、いつまでも親が子供の行動を決めてしまうと「自分は尊重されていない」と感じてしまいます。子供は運動をしたいのに将来のためにと勉強に励ませる、運動するならこれにしなさいと親の価値観だけを押し付けてしまうのは自己肯定感低下の原因となります。
《 子供の挑戦を結果でしか判断しない 》
子供が描いた絵を上手・下手で判断したり、挑戦したことに対し出来た・出来なかったの結果だけで判断していては自己肯定感は生まれません。子供は絵を描きたい・挑戦したいという感情で行動しているので、「もっと上手に描きなさい」「出来てない」という結果だけの判断は自己肯定感低下の原因となります。
《 必要以上のしつけ 》
「甘えた人間になってほしくない」「努力する人になってほしい」というのはどの親も持つ願いだと思いますが、唯一の味方であり信頼できる相手から必要以上に厳しくされると「自分は大切な存在ではない」「自分に価値はない」という感情を持ってしまいます。もちろん、親として厳しくしなければならない場面もありますが、厳しさの中にも思いやりや優しさがなければ自己肯定感は失われてしまいます。
大人であっても自分を否定されることはとても辛いことですよね。我が子とはいえ、『一人の人間として接すること』これが大切です。
毎日の育児の中でイライラしてしまったり、子供を守りたい一心で過保護になり過ぎてしまったりということもありますが、そんな時には「コーチ目線」で客観的にサポートすると良いとされています。
自己肯定感が低下するタイミングは小学校入学時?
幼少期からの体験や経験が大きな影響を与える自己肯定感ですが、上記で少しお話ししたように小学校入学時に一番、自己肯定感が低下してしまうと言われています。
みんなで仲良く遊んでいた幼稚園とはガラリと変わる小学校生活。その中で、「お友達と上手く会話できない」「計算ができない」「走るのが遅い」「字が上手く書けない」など、自分と友達を比較してしまうことが影響していると考えられています。
目に見える成績という壁にぶつかり自分に自信がなくなってしまった時、親である私たちには何が出来るのでしょうか?
意識的に褒めて自己肯定感を高めよう
子供が自分に自信を持てなくなってしまった時、そんな時こそ「褒めること」が大切です。
子供が挑戦し成功したことに対しての「褒め」は当然ですが、「大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」といった何も特別なことがない「無条件の褒め」や「親の愛情」が子供の自己肯定感を高め、生きていく力となるようです。
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また、小学校入学までに自己肯定感を高めておくことも、このスランプを乗り越えるために大切だと言われています。
自己肯定感と息子の病気について思うこと
今回、私が自己肯定感について学ぼうと思った大きな理由は、「血友病という難病を抱える長男が病気とどう向き合っていくのか」ということを常々考えていた為でした。
親としては、「病気と前向きに付き合っていってほしい」「病気や治療が嫌になっても負けずにしっかりと向き合ってほしい」と願う訳ですが、そうなってもらう為に私に何が出来るのか?日々の治療とどのように向き合わせていけばいいのか分かりませんでした。
そんな時に目にした「自己肯定感」という言葉。
自分の全てを受け入れ何事も前向きに、壁にぶつかってもそこから自力で立ち直れる力。身に付けていて損はないはずですよね。
「その力を病気と向き合う際にも発揮できれば、息子自身の日々の治療の苦労も少しは和らげることができるのではないか」と感じてしまいました。
この自己肯定感がどれだけ身につけられるか、どこまで信じればいいのかは分かりませんが、なんとなくでも今できることをしていきたい。そんな思いで我が家でも自己肯定感について考えていきたいと思います。
同時に、親の自己肯定感の低さも子供に影響するようなので、私自身の自己肯定感とも向き合っていき、共に高め合っていきます^^
終わりに
ここまで自己肯定感についてお話ししてきましたが、育児書やネットに書いてある「理想論」とも捉えられますよね。
「こんな叱り方をしてはいけない」「この方法で賢く育つ」など、読み進めていけば理解できるものばかりですが、実際の育児の中でそれを取り入れ意識し実践し続けることって結構大変ですよね。
「日本の親は子供のことに責任を負い過ぎている傾向にある」と言われています。そんな中であれもこれもと実践していくことは非常に難しいですし、育児が難しいものになる一方です。
子供が幸せになる為に一番大切なのは「愛情」です。その愛情だけは忘れないように、親も子供も一人の人間として成長していくことが大切だと考えます。
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