血友病保因者の妊娠後期検査の記録(凝固検査・PCR検査・おりもの検査B群溶血性連鎖球菌GBS)

血友病保因者の妊娠後期検査の記録(凝固検査・PCR検査・おりもの検査B群溶血性連鎖球菌GBS)

「トツキトウカ」と言われる妊娠期間も最後の10ヶ月目となり、赤ちゃんがいつ産まれても良い時期とされる「正産期」を迎えました。

血友病保因者である私は妊娠発覚時から転院や出産方法の選択など、何かと不安の多い妊娠期間ではありましたが、ここまでくれば後は無事を祈るのみ!!

 

今回のブログでは、妊娠後期の検査の様子とコロナ禍において妊婦さんに行われているPCR検査の様子を記載していきます。

血友病保因者の出産において大切な「凝固因子活性」についても記録していますのでご参考下さい。





妊娠後期の妊婦検診

 

妊娠期間で最後の大きな検査となる後期検査。

妊娠36週の時に、超音波検査・おりもの検査・心電図・凝固検査・PCR検査を行いました。

総合病院あるあるかもしれませんが、それぞれの検査場所への移動が必要で、そこには産婦人科以外の患者様も多数いらっしゃる為、とにかく待ち時間が長い。非常に疲れますが、無事検査を終えることができました。

 

 

超音波検査と心電図の検査結果

 

心電図は異常なしでしたが、妊娠36・37週目の超音波検査では、赤ちゃんは下がってはいるものの子宮口は開いておらず、むしろしっかりしているとの事。運動をするよう指示されました。

長男の幼稚園送り迎えやお散歩で運動はしているつもりなのですが・・・出産には体力が必要ですしストレッチやヨガも取り入れて産みやすい体づくりを頑張ってみようと思います^^

 

 

おりもの検査(B群溶血性連鎖球菌)

 

おりもの検査は妊娠中期・後期と行いましたが、両方の検査時に「B群溶血性連鎖球菌(GBS)」を指摘されました。

「B群溶血性連鎖球菌(GBS)」とは、膣・直腸・尿の常在菌の一つで、日本人の場合、約10人に1人の割合で保菌しており、これが検出された場合、赤ちゃんが産道を通る時に約50%で感染します。

感染してしまうとほとんどの赤ちゃんは無症状ですが、敗血症(全身に菌が広がる)になり大変な経過をたどってしまうこともあります。

症状としては以下の2タイプに分類されています。

 

  1. 早期型・・・生後数時間から数日以内に発症し急速に重症化。敗血症や髄膜炎に至り、生命にかかわったり脳に後遺症を残すことがあります。
  2. 後発型・・・生後1週間以後に発症するタイプで、発症頻度は低く、発症しても比較的軽症。

 

 

長男の時には指摘されなかった「B群溶血性連鎖球菌(GBS)」。

お腹の赤ちゃんには血友病の可能性があり、産まれてくるだけで不安でいっぱいなのに他にも不安要素があるなんて・・・。

赤ちゃんを「B群溶血性連鎖球菌(GBS)」から守るために以下の方法で、お産を進めていきます。

 

 

《B群溶血性連鎖球菌(GBS)感染症の予防方法》

 

「B群溶血性連鎖球菌(GBS)」の予防法として、特に危険な状態となる早発型を予防するには陣痛あるいは破水後に点滴で抗生物質を投与するのが有用であると考えられています。

点滴開始後2時間で菌対数は約100分の1に減少するとされ、分娩に到るまで定期的な点滴投与を繰り返します。

 

今回出産する病院でも、陣痛が始まり入院した時点で抗生剤を点滴投与していきます。

また、発症した場合における早期治療を目的として原則的に生後48時間は保育器あるいは新生児ベッドでモニター監視を行っていきます。

また、退院後に発症する可能性はほとんどありませんが、ミルクの飲みが悪い・機嫌が悪いなど気になることがあればすぐに相談するように指導されています。

 

 

新型コロナウイルスPCR検査の結果

 

新型コロナウイルスが流行している現在、今回私が出産する病院では、手術前の患者様及び分娩前の妊婦さんに対し、新型コロナウイルス感染拡大予防の為PCR検査を実施しています。

妊婦さんでは後期検診時に実施され、費用は出産する病院の地域に在住していれば2万円補助してもらえるというものでした。

結果報告は、PCR検査後およそ2〜3日の間に連絡がなければ陰性で、陽性だった場合は保健所の指示に従って行動するとの事。

 

PCR検査後に連絡はなく結果は「陰性」。妊娠中に拗らせた風邪がまだ残っていたので少し不安でしたが、とりあえずホッとしました。

 

今回のPCR検査は、鼻の粘膜を採取する方法でしたが、あれ非常にきついですね。想像以上に鼻の奥まで綿棒が入り、なかなかの顔つきになっていたと思います。

以前、4歳の長男もPCR検査を行ったのですが、本当によく頑張ったと改めて褒めました。




妊娠中の凝固因子活性値

 

さて、血友病保因者が出産するにあたって大切な凝固因子活性。

これによって帝王切開時の製剤使用検討など、かなり重要なポイントとなります。

以下は、通常凝固因子活性49%の私の妊娠期凝固因子上昇数値です。

 

《血友病保因者である私の妊娠期凝固因子活性上昇値》

  • 妊娠初期 ー 凝固第8因子 65% APTT     ー
  • 妊娠中期 ー 凝固第8因子 76% APTT     ー
  • 妊娠後期 ー 凝固第8因子 96% APTT  42.4H
  • 妊娠後期再採血 ー 凝固第8因子 104% APTT 40.2H

*妊娠後期での検査結果において、凝固第8因子活性値が正常範囲の数値であるのに対し、APTT(血が固まるまでに掛かる時間)が正常範囲を超えているという点から、再採血を行うことになりました。

結果は「悪くはなっていない」という微妙なものになりましたが、「様子を見ながらやっていきましょう」という話でまとまりました。

 

 

血友病専門医である長男の主治医にこの結果を見てもらったところ「思った以上に凝固第8因子が上昇しなかった」と。自然分娩における参考値は60〜150%とされているので、自然分娩で出産を終えられれば問題はないとの事ですが、帝王切開での出産になった場合、製剤の使用を覚悟しなければならないと言われました。

自然分娩と帝王切開における出産リスクを理解した上で自然分娩を希望したので、なんとか自然分娩で出産できることを祈りますが、とにかく母子共に無事で終えられることを願うしかありません。

 

【自然分娩と帝王切開どっちが安全なの?血友病保因者である私のお産方法の選択】の記事はこちら

 

臨月(生産期)を迎えた今の心情

 

いつ産まれても良い生産期を迎えた今、長男の時もそうでしたが「本当に産まれてくるのかな?」というなんとも不思議な感覚に襲われています。

長男の時は予定日を3日過ぎての出産で、たった3日過ぎただけでも情緒不安定になっていましたが、今回は、「自分が血友病保因者でありお腹の赤ちゃんも血友病を患っているかもしれない」「自然分娩でいけるのか、緊急帝王切開になってしまうのか」という病気への不安にプラスして、「初産婦より経産婦の方がお産に進むスピードが早い」「コロナ禍で立会い出産が出来ないから自分一人で頑張れるか」など赤ちゃんをしっかり守ってあげられるのか、とにかく心配でなりません。

 

私が自宅にいない間の主人と長男の様子も少しだけ気になりますが、ここは男同士楽しんで過ごしていそうな気もします。

「寂しいのは私だけ?」と言ったところでしょうか^^

 

長男も幼稚園でお腹の赤ちゃんの話をしているらしく、産まれてくるのを楽しみにしてくれているので、その声にしっかり応えられるようとにかく頑張らなければなりません!!

 

血友病保因者へのスポットライトがまだまだ当たっていない中で、血友病保因者である私がこうして妊娠から出産まで皆様にお伝えできることは非常に貴重な経験であり、少しでもお役に立てればという気持ちでいっぱいです。

ご覧下さる皆様の励みとなるようこの出産に立ち向かい、その結果をご報告させて下さい^^