注射で血管に空気が入っても焦らないで!人体への影響と注意点とは?

注射で血管に空気が入っても焦らないで!人体への影響と注意点とは?

こんにちは!パパです。

息子に輸注(注射治療)を行なっている際、気泡程度の空気が血管に入るのは珍しくありません。ですが、「あれ?今回は空気が結構入っちゃった?」なんて日もありませんか?
薬の効果を少しでも高めるために薬液をギリギリまで入れるのですが、気の緩みで薬液の流動を見失い、明らかにいつもより多くの空気が入ってしまったかも!?なんてこともありました。

 

静脈注射手技研修を受けていた頃、主治医からは「多少の空気は大丈夫です。」と教えられていましたが、やっぱり「注射+空気=死」というイメージが拭いきれずに不安。

今回は、多少の空気とは具体的にどの程度なのか、空気が血管に入ることで人体にどの様な影響があるのかなど、静脈注射の場合を中心に動脈注射、皮下注射も合わせて調べてきました。




大量の空気が血管に入るとどうなるの?

 

注射の際に、薬液内の気泡を飛ばすためシリンジ(注射器)をトントンしたり、注射針から薬液が少し出るまで空気を押し出す光景を見たことがある方も多いと思います。

血管内に空気が入らないようにする作業を怠ると、どの様な悪影響が人体に起こるのでしょうか。

 

動脈注射=少量でも致死リスク
静脈注射=空気塞栓症のリスク

 

動脈注射では、ほんの少量でも致死量になり得るそうです。「注射+空気=死」の連想はここからきているのかもしれませんが、限られたケースの場合しか動脈注射は行われません。

 

静脈注射では、少量の空気が血管内に入っても血液中に吸収され問題はないと言われていますが、大量の空気が入ってしまった場合は空気塞栓症を起こす危険があります。

空気塞栓症とは、空気によって血管が塞がれ血液が流れなくなってしまう症状です。脳や心臓など、どの箇所で塞栓が起きるかによって、その機能が働かなくなるなどの重い後遺症が残ったり最悪の場合は死に至る場合もあるそうです。

では大量の空気とはどの程度の量を指しているのでしょうか。

 

多少の空気なら大丈夫って、どれくらいの量なの?

人体実験を行えない当然の理由から正確な数値は分からないのですが、10ml〜20mlが安全の限界だそうです。心配性の僕は、10mlを限界量とします。

 

「10mlって言われても…。」

10mlまでならセーフだって言われてもどれ程の量なのか?いまいちピンとこないので、500mlのペットボトルへ10ml入れて確認してみました。その画像がこちら。

 

10ml

 

500mlのペットボトルに入れれば皆さんにも伝わりやすいかなと思ったのですが、どうですか?着色した水を空気に置き換えてイメージして下さい。

普段から注射をしている血友病患者様やご家族様ならお分かりでしょうが、有り得ない量ですよね。これほどの量を一度の注射で入れようと思うのは意図的でない限り入りません。

 

だからと言って10mlまでなら空気が入っても大丈夫という理屈にはならないので、今後も気泡程度の空気であっても細心の注意払って息子の治療に向き合っていきたいと思います。



大量の空気が入った場合の対処法ってあるの?

 

一般的な治療や血友病の自己注射治療を行う中で大量の空気が入ることがないと分かりました。しかし、ごく稀に点滴中のボトル交換の不手際などで空気抜きが不完全となり空気塞栓が起こることもあるようです。

 

そのような場合の対処法としては、脳血管で空気塞栓が起きないようにするため足を高く頭を低くした体勢にする事が重要だそうです。また体の左側を下にした横向き体勢になることも、より空気の吸収を促せるそうです。

 

「少し心配だな…」なんて時は上記の体勢になってみてもいいかもしれませんが、自ら解決しようとせずにお医者様に診てもらうことが一番ですね!

 

皮下注射の場合はどうなの?

 

血友病でも皮下注射で行う新薬が話題です。息子も近々使う予定なので調べてみました。

皮下注射も同様に、気泡程度を注射しても人体に影響はないとされています。何らかの原因で大量に空気が入った場合は炎症などが起こり得るそうですが、次第に吸収されて問題はないそうです。

直接血管内に入れる場合に比べると、危険度が格段に下がり安心しました。

 

まとめ

いかがでしたか?僕は10mlというボーダーラインを知れたことで不安は取り除かれましたが、同時に空気塞栓症という知識も得ました。

僕たち家族は医療従事者ではありません。息子が闘っている血友病の治療のために静脈注射手技を身につけ、日々注射を行っていますが知識が至らないことは当然沢山あります。

今回のテーマのように、気泡程度の空気であっても大事な息子に治療を行い続ける以上、疑問に思ったり不安に感じたことは一つ一つ解決していき、今後の治療の糧にしていきたいです。