血友病を抱える3歳児の幼稚園での様子

血友病を抱える3歳児の幼稚園での様子

血が止まりにくい疾患『血友病』を持つ3歳の息子が今年の春、無事にこども園へ入園し新たな生活を迎えた私たちでしたが、新型コロナウイルスの影響により約2ヶ月間休園となってしまいました。

2020年5月中旬には緊急事態宣言が解除され、しばらくして息子の通うこども園も再開されることとなりました。

 

今回は、園生活が再開されてから約3週間の園での様子をご紹介していきます。怪我の様子・夏場の保護帽子の着用・園での内科検診・先生からの質問などまとめてみました。

園生活を頑張っている息子の成長も少しだけ書いてみましたので、最後までご覧いただけると幸いです^^





幼稚園での怪我について

 

園生活を再開して約3週間、これまで幼稚園から怪我に関する相談の電話が鳴ったことはなく、お迎えの時に1度だけ膝の擦り傷の報告を受けました。関節の動きにも異常は見られず無事に園生活を過ごしていると言えますが、やはりこれまでとは生活環境や運動量が違うせいか「スネの痣」が目立つようになってきました。

 

息子に聞いても明確な答えは出ませんが、痣の状態を見る限り「どこかで打ってできた痣」だと感じられるので、「薬が効かず知らない間にできた痣では無い」と考え、特に大きな心配はしていません。

 

しかし、痣ができるだけで心配してしまうのも正直な気持ちで、スパッツ等で対策していくべきなのか?暑さによる汗疹や熱中症が気になるこの時期にはとても悩ましい問題です。

 

保護グッズについて

 

3歳の息子が身体を守るために園で使用している保護グッズは『保護帽子とサポーター』ですが、残念ながらサポーターは日々増す暑さにより6月から当面使用しないこととなりました。

しかし、上記で書いた様に『スネの痣』が気になっていますので夏仕様で対策できないかと試行錯誤中です。

 

保護帽子についてもこの暑さで問題を抱えています。

こちらのサイトでも紹介させて頂いた『ほっと安心帽』は園庭にて大活躍中なのですが、室内での着用に問題が起きてしまいました。

 

私はみんなと共通の物を使用させたいと『ほっと安心帽』を室内でも着用するようお願いしたのですが、やはり蒸れて汗を多くかいてしまうようで、「室内外の両方で同じように汗をかいていては心配」と先生から相談がありました。

話し合いの結果、先生に提案頂いた「室内では通気性の良い【ヘッドギア】を使用すること」に決まりました。

ほっと安心帽の記事はこちら

ヘッドギアの記事はこちら

 

しかし、室内用のヘッドギアでも他のお友達より汗をかいてしまうので、保護帽子の脱着については活動内容に応じて先生方にお任せしています。保護帽子はとても大きな安心材料ですが、この暑い時期だけは「帽子を被らない時間」を設け、少しでも熱を発散する必要があるかもしれません。




こども園で内科検診をしました

 

園で初めての内科検診を行いました。息子に内科検診があることを伝えると「嫌だ!病院でする」と言われました。「そうね・・この前病院でしてきたしやってもやらなくても^^;」なんて本音が出そうになりましたがグッとこらえ、「いつも病院でやってるのは血友病のモシモシ。幼稚園でするのはみんなで元気に遊ぶためのモシモシなんだよ」なんて話しましたが、ギリギリまで嫌がっていました。(モシモシは聴診器のことです☆)

 

息子が帰宅してからどうだったか聞いてみると「自分で服上げてモシモシしたよー!他のお友達は注射するの?って泣いてたよ^^」と胸を張って自慢していました。

事前に「注射はしない」と伝えていたし、軽い検査はいつものことなので平気だったようです。

 

 

病気のことについては「こども園の健康手帳」に記載しており、内科検診の先生にも直接お話していました。担任の先生にも前もって健診内容を伺い「みんなと同じ検査をお願いします」と伝えいたのでスムーズに行われたようです。

 

血友病に関する先生からの質問について

 

息子が抱える『血友病』の症状・出血時の対応について園とお話ししたのは見学時と入園が決まった際で、それ以降は全くお話ししていません。しかも、息子の担任の先生と病気について詳しくお話ししたことは一度もありません。

 

「それでいいのか?」と入園初日に不安を抱きましたが、「息子さんの病気については一通り伺っています」という担任の先生の言葉を信じ、改めて話し合いの場は設けていません。何を理解しているのかを確認することも大切かもしれませんが、「いつでもなんでも連絡下さい」という最も大切な約束だけで十分やっていけるような気もしています。

 

幼稚園生活はまだまだ浅いですが先生からいくつか質問を頂きましたので紹介していきます。

 

 

保護帽子や膝当ての用途について

 

保護帽子や膝当てはいつ必要?外していい時間はあるの?

 

ちょうど暑さが増してきた頃、息子の暑そうな姿を見て心配して下さいました。この質問に対して、『保護帽子はあくまで怪我の予防』であることを伝え、「活動の内容によっては外して構わない」とお伝えしました。先生方には難しい判断となってしまいますが、「先生が不安に思った時に着用させてやって下さい」とお願いしました。

 

 

園での活動内容について

 

高さ60〜70cmのところから飛び降りる遊びをするんですが大丈夫ですか?

 

先生は「体への強い衝撃が息子の関節に大きな負担を与える」ということを理解した上でこの質問を事前にして下さいました。「息子の病気のこと知ってくれている」と確認できるいい機会となり、相談して下さったことをとても嬉しく感じました。

 

この質問に対し、まず「マットが使用されていること」を確認し、マットからはみ出したり着地後のサポートなど安全に配慮された状況であればお友達と同じようにさせて下さいとお伝えしました。また、「運動後に歩き方や膝を抑えるなど息子の様子に変化が見られた場合は、違和感のある場所を冷やし安静にできる遊びに切り替えてあげて下さい。」とその先の対応についてもお話ししておきました。

 

結局、天候の関係で相談頂いた遊びは中止となってしまいましたが、遊びの範囲が広がれば広がるほど見守って下さる先生の不安も増えてくるかもしれません。その度にどんな些細なことでも相談頂けることは私たちにとってとても有り難いことですね。




こども園が考える病気を抱える友達との関係について

 

これは「室内外で保護帽子を使い分けることについて」相談していた際のお話です。

 

前文でもお話しましたが、私は当初「みんなと同じカラー帽子を使用して保育時間を過ごしたい」とお願いしていましたが、これには一つの大きな理由がありました。

 

新型コロナウイルスで休園になる前、まだ「ほっと安心帽」を購入しておらず、ヘッドギアで園生活を送っていた時の事・・・

息子が着用する見慣れないヘッドギアにクラスのみんなが集まり「なにこの帽子?」と触られることがありました。

 

まだ3歳ですから、みんな悪気もなく純粋な気持ちで息子の側に寄ってきてくれたのでしょうが、『自分の周りにたくさんのお友達が寄ってきたこと・帽子を触られたこと(息子は少し潔癖症です)』で嫌な気持ちになってしまいました。

この時すぐに先生が間に入って下さり、その後も息子がヘッドギアを着用できる環境を先生方は作って下さいましたが、やはり「みんなと同じ物で過ごさせたい」という気持ちから室内でも「ほっと安心帽」の着用をお願いしていました。

 

そのような私の気持ちを先生にお伝えしたところ、

 

「病気や性格などいろんな子がいることを理解し合って共に生活していく」それも保育の一環として考えています。

 

それが先生・園としての考え方でした。とても理解できます。病気・障害・性格などそれぞれの個性を持った子供達が園生活を送っています。息子もそれを理解しながら大人になっていかなくてはなりません。

当然、先生は私の主張を理解して下さっていて、「今後、病気に関するトラブルのようなものがあればしっかりとフォローします。それが保育士の仕事です」と言って下さいました。

 

今回は、息子も素直にヘッドギアを使用してくれていますし、熱中症という命に関わる問題を解決するための大切な策として迷いなく同意しましたが「みんなと同じになれる方法を見つけたのに、また嫌な思いをしないだろうか?」と不安を抱いてしまいました。

 

 

「病気を受け入れてくれる気持ちは生活環境を豊かにしてくれる」ということは間違い無いですが、そこから先の考え方に温度差を感じてしまうことは今後もあるかもしれません。

また逆もしかり。病気を抱え支える私達だからこそ、そうゆう気持ちを考えられる人間に成長していけたらと同時に学びました。

 

 

こども園と息子の成長

 

最後に少しだけ息子の成長を^^

 

生まれてからこども園に入園するまでの3年半、ずーっと一緒だった私達。

園生活初日から泣きもせず立派に共同生活を始めたように思えた息子ですが、新型コロナウイルスでの休園再開後から、「ママがいなくて寂しい!こども園は寂しい所だよ!!」とこども園でも自宅でもずーっと言っています。

その度に「ママは絶対お迎えに行くよ!こども園は楽しい所だよ」と言いなだめるのですが、2週間経ってもまだまだダメなようで、どうしたら少しでも寂しい気持ちを抑えられるのか?かなり頭を悩ませています。

 

確かに、病気のこともあって公園で出会ったお友達と遊ぶ時もずーっと側に居たし、両親にさえ預けることをためらっていました。本当にずーっと一緒だったのに急に母がいない環境なんて戸惑うのも無理はありませんよね^^;

 

それでもこども園での楽しい時間もあるようで、教えてもらったダンスの振りを教えてくれたり、給食表を眺めています。

 

「行ってきます」とにっこり笑って言えるまで時間は掛かりそうですが、息子のペースでゆっくりでも前に進めるよう、こちらもめげずにサポートしていきます。